タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE
『業務体系構築による顧客づくり』


 どの業界でも顧客が商品を購入するまでに費やす時間よりも、顧客が商品を使用する時間の方がはるかに長い。つまり、購入後の方が商品を通じて会社との接点が多いということだ。「購入後の顧客満足」が重要であり、購入前の対応は当然として、購入後の対応を強化することが必要である。

 顧客満足度が非常に高いK社を紹介する。

 K社に電話をすると「○○さん、いつもお世話になります。最近△△で お忙しいですね。先日購入していただいた□□はどうですか?」と電話に出た人が対応する。K社は、顧客情報が全社員に共有化されているからだ。

 受注があった場合、社内だけでなく外出しているメンバーにも携帯電話にメールを入れて受注内容を伝える。社内の業務担当は2時間毎に集まり、受注状況を報告し合う。社内のデータベースに打ち込むだけでなく、現在どのような状況かを共有するのである。電話を受けた時にはすぐに顧客データを開き、共有情報を参考にして顧客と対話する。

 また、万が一何か問題が起こってもスピーディーに対応できる業務体制を敷いており、すぐに解決される。電話のたらい回しや返答に時間がかかることもほとんどない。それは、業務フローを全員で把握しているからだ。

 そのポイントは以下の3点である。

1.業務フローの把握

 受注から売上債権回収までの一連の業務の流れが、どうなっているかを把握する。各部門がどのように関係しているかを明確にし、何か問題が起こった時に何をどうするべきかを把握する。

2.業務マニュアル・基準の徹底

 誰が見ても理解できるマニュアル・基準を作成する。また、一人だけしか知らない「ブラックボックス」をなくし、誰かが休んでも業務がスムーズに行われるような体制をとれるようにする。

3.顧客情報の蓄積システム

 顧客の業績やトピックス、人事情報などを記入した「顧客カルテ」や、その顧客が今までに何を購入したかについての履歴を見ることができる。

 「顧客販売データ」を構築し、顧客情報を活用する。

 営業担当者だけでなく、内部の業務体制のフォローによって全社での「顧客づくり」が実現する。すなわち、会社全社での顧客に対するフォロー体制が構築できるかどうかにかかっているのだ。



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