タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE
『新規事業への取組み』


 企業の将来を見る場合、1年後であれば決算書、5年後であれば商品(サービス)、10年後であれば人材と言われている。

 そして20年後であれば「新規事業への取組み」が一つの指標になる。業歴100年を超える老舗企業を見ると、その殆どに共通する点は事業シフトを行い、環境に適応してきたという点である。新規事業への取組みは、永続発展企業となるかどうかを図る一つのモノサシになる。

 新規事業とは、未知のノウハウ(市場・技術・製品・サービス)を開拓・獲得することであり、既存事業と比較するとリスクが大きく、成功するか否かの不確実性が高いのは言うまでもない。

 しかしながら、不確実性の高い新規事業への取組みを「将来への投資」と考え、「挑戦したい」「支援して欲しい」との依頼がこの数年、一段と増えてきている。

 製造業A社の事例を紹介したい。数年前より「会社の将来を支える柱を創る」というビジョンを掲げ、社長直轄の下、若手メンバーを中心に新規事業創造に向けた取組みをプロジェクト方式で実施している。ユニークなのは、新規事業のテーマ発掘と並行して事業創造の着眼を若手メンバーに学ばせ、社内に事業創造の風土を作るというという効果をもたらしている点である。

<新規事業テーマ発掘プロジェクトの流れ>

 ◆毎期、部門横断的に若手メンバーを選抜
       ↓
 ◆新規事業創造に必要となる考え方について学ばせる
       ↓
 ◆テーマ発掘・調査・ビジネスモデルの構築(仮説→検証)を繰り返す


<例>マトリックス型:開発モデル

マトリックスのマス内でテーマ発掘・調査・ビジネスモデルを構築
  開発アプローチ
顧客課題から出発する
シーズ開発
顧客課題から出発する
ニーズ開発
市場創造型の
コンセプト開発


介護      
医療      
環境      

       ↓
 ◆事業開発計画書を策定できるレベルまでアイデアを昇華させる
       ↓
 ◆経営陣へ提言(新規事業として取組んでいくか判断を仰ぐ)
       ↓
 ◆認められた場合は実行に移される

 構造転換期で環境変化が激しい時代、今の業績は未来を保証するものではない。未知の領域に挑戦し続ける姿勢、革新への意欲と地道な努力しか未来を保証できない。「新規事業への取組み」に先手を打ちながら、永続発展する価値ある企業へ挑戦していただきたい。



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