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『新入社員の育て方』 現代の新入社員は、ゆとり世代とも呼ばれ、「挨拶もままならず、しつけから教えなければならない」といった教育担当者の嘆きも多い。また「新入社員の成長スピードが、以前と比べると遅くなった」との声も多い。早期に新入社員を一人前に育成している企業は、一体どのように育てているのであろうか。 一つ目のポイントは、徹底して経営理念や仕事の進め方の基本を繰り返し教えていることである。世界で圧倒的な力を見せつけるサムスンは、4週間かけて軍隊式の方法も取り入れた厳しいトレーニングや徹底した理念教育を通じ、サムスンの理念や仕事の進め方を教えている。この教育を通じて「サムスンに入って良かった」という愛社精神が生まれ、一流のサムスンマンになっていくのだ。 一見古いやり方のように感じるが、社員として最も大切な考え方や仕事の基本を身につけるには、「鉄は熱いうちに打て」の言葉どおり早い段階で身につけさせるのがベストだ。一般的にビジネスの基本は入社3年目までに決まってしまう。知識や技能はもちろん大事であるが、それ以上に土台となる仕事の進め方を身につけさせることが重要である。 もう一つは、指導する上司が新入社員のキャリアや育成プランを考えることである。近頃の若者は自立心が不足しているとか、言われたことだけしか実行しない、自己啓発が不足しているなどの声が多い。今時の新入社員は勝手に成長してくれないのである。 まず、本人に自身のキャリアを常に意識させることがポイントで、キャリア開発のサポートをする必要がある。3年後の本人のキャリアを上司と部下がすり合わせ、その到達点への実行プロセスを定期的にチェック・フォローしていくのである。 新卒で自分のキャリアイメージを持って入社してくる人材は、極めて優秀である。2:6:2の原則で言うと2割に当たる人材であり、大多数は通常の人材である。その大多数のキャリア形成をサポートするのは上司の役割だ。 将来、企業にとって大きな“人財”となるであろう新入社員には、これまで以上のきめ細かな指導が必要なのである。
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