タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE
『事業戦略と実行力』


 筆者が現在、お手伝いをしている食品会社のA社は、もともと果実中卸業として現在の会長が創業された。会社を引き継いだ現在の2代目社長が確な事業戦略を打ち出し、現在の売上高は75億円。3年後には100億円の中期経営計画を組んでいる。

 A社はSBU(戦略的事業単位)として青果販売、青果加工、フードサービスの事業を展開しており、組織横断的にシナジー効果を引き出している。『21世紀は野菜の時代』に対応すべく、生産者から消費者(川上−川中−川下)までの垂直的な『青果物流通』を構築し、内食・中食・外食のフルラインに対応でき、四季折々に旬の食材を使ったメニューの提供ができることで他社との差別化を図っている。

 その企業が2010年9月より、5S・VM活動という“見える化”の活動に取り組んだ。事業戦略を確実に実行するための体質改善に着手し始めたのだ。

 5S活動から推進し、当初は活動がなかなか進まなかった面もあった。しかし、社長をはじめとしたリーダー達の実行力により、問題点を顕在化して解決する体質づくりが築かれてきた。それとともに、戦略を実行する上での各職場のミッションを明確にして行動力を上げ、さらに今後は見える方針・目標管理の実行により、立てた戦略・方針を狙って達成できる体質づくりを目指している。

 3ヵ年計画ではSBUごとに明確な事業目標を設定し、それに向かって日々の業務を行なっている。それぞれの目標は次のとおりである。

<青果販売事業> 『グループ全体の機能を集約し、それを最大限に活かした新しい青果物流通を目指す』

<直販事業> 『自分で仕入れて自分で売り切る原点型八百屋を目指す』

<青果加工事業> 『惣菜のわかる八百屋を目指す』

<フードサービス事業> 『安全で安心、そして健康的で旬の料理を提供し続けることを目指す』

 まさに今、企業経営は舵取りが難しく「戦略をつくる力」と「実行する力」、この2つの掛け合わせが必要である。2つの力に常に着眼し、企業経営を行なっていただきたい。



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