タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE
『モチベーション管理の本質』


 仕事の複雑性が進み、決めたれたことを正しく行うだけでは成果が約束されない現代。マネジメントの視点が工学的な視点から、心理学的な視点に移っている中で、社員のモチベーション管理がますますその重要性を増している。しかしその重要性が叫ばれるわりには、各社の取組みに大きな温度差を感じる。

 モチベーション向上への取組みの本質とは、給与を上げることでも福利厚生面の充実を図ることでもない。これらの施策が講じられた当初はインパクトがあり、ある程度の効果があるといえる。

 しかし、しばらくするとその水準・レベルが当たり前に感じられてくる。そうなると効果はなくなり、さらにその上の水準を実現することが必要となり、キリがなくなってしまう。

 モチベーションは、他人に向上してもらうものでもない。かといって、自ら向上させるのも簡単ではない。筆者は、企業におけるモチベーション向上のテーマは「企業と社員のWin−Winの関係構築」にあると改めて感じている。

 言い換えれば、企業と社員のそれぞれの立場で、人事労務管理ビジョンに関して考えが共有化されることが重要なのだ。そのため「人事労務ビジョン」として文書化し、社内にPRすることをお勧めする。

 その構成は、まず事業戦略を見据えて「求める人材像」を明確にする。その「求める人材」への成長を目指し、会社側は「人材育成」「処遇体系」「職場環境」などの改善に関しての方針を明確に打ち出す。一方、社員のスタンスで一人ひとりの業務への誠意ある取組みと、組織の成功に対する貢献を約束する内容を記述する。

 明確化された「人事労務ビジョン」は、組織に従属するだけの安住意識から、組織の期待に応えて役に立とうとする貢献意識に変わっていく。自らの意思で組織に所属し、その活動に参画しようとする内発的な動機付けがなされることになる。

 ぜひモチベーション管理の本質を見抜き、継続性・持続性高くモチベーションを向上させよう。



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