コンサルタンツ・EYE
『スピードを上げて中堅幹部の育成に取り組もう』 日本企業の成長に停滞感がある現在、自社の成長シナリオをどのように描けば良いのであろうか。企業が成長していくためには経営のバックボーンである人、物(商品・サービス)、金(お金そのもの・財産・業績など)、情報をどう活用していくかで決まる。 先が見えない経済状況である中、企業成長を成し遂げていくバックボーンは何と言っても人である。良い商品を見つけるのも、販売を拡大するのも、品質の高い製品を生産性良くつくる技術開発をするのも全て人である。 企業経営にとって人は最大の財産であり、企業成長にはなくてはならない財産である。 しかし、人づくりには時間がかかり「人が財産であるとわかってはいるが・・・」と言う経営者は多い。人材育成が遅れたが故に企業成長が止まり、赤字体質の経営に陥り倒産していく企業も後を絶たないのが現実である。そこで経営者の使命として、人材育成に取り組む意思を強く持っていただきたい。 強化すべき階層は、中堅幹部・中堅社員である。なぜこの階層を強化していくべきなのか。 それは、経営者や経営幹部のビジョンや方針、指示命令事項を咀嚼して現場の社員に落とし込む最大の役割を担っている階層であるからだ。 中堅幹部・中堅社員の本来の役割は、経営者や経営幹部陣を支える“補佐責任”、業績目標を達成していく“業績責任”、そして部下を育成する“部下指導育成責任”という3つの責任を果たすことにある。 しかし実際には、これら3つの責任が果たされないままに、あるいはその責任すら教えていない、責任を果たすために何をどのように進めていくかの指導をしていない経営者・経営幹部が多い。 中堅幹部・中堅社員にこれら3つの責任を果たさせるための着眼を以下に示すので、ぜひ参考にしていただきたい。 1.補佐責任 掲げたビジョン・方針の内容を、自分自身が担当する部門・部署単位に咀嚼させ、部門・部署単位のビジョン・方針に落とし込む。その後、部門・部署のビジョン・方針を達成するための行動スケジュールを明確にする。 行動スケジュールを作成する際のポイントは、週間・月間レベルに落とし込みをすることである。つまり、部門・部署のビジョン・方針という大きな目標を達成させるため、さらに週間・月間目標にまで落とし込みをして行動スケジュールを作成するのである。 2.業績責任 業績目標を達成させるためには、そのシナリオをしっかりと作成しなければならない。 どの商品をどの顧客へ、どのような販売方法でいつまでに、どのような仕組みで達成させていくかという内容を組み立てるのである。 とりあえず営業活動する、とりあえず企画開発する、とりあえず製品をつくるといった“とりあえず”では、業績目標を達成させるのは難しい。 したがって業績目標達成シナリオを作成し、そのシナリオに沿って週間・月間でどのように目標を落とし込めば良いか、どの数字の管理を強化していけば良いか、どのような方法で管理していけば良いかということを決め、行動していくことがポイントである。 3.部下指導育成責任 中堅幹部・中堅社員には、部下を大勢抱えるも人もいれば、そうではない人もいる。 大勢抱えている場合、まずは指導育成すべきターゲットを絞り込み、何を指導したいのか、どこまで成長させたいのか、いつまでに育成していきたいのかということを明確にして、計画書に落とし込むことがポイントである。 その上で、計画書に落とし込んだ内容を部下と共有化し、部下の得意分野を把握して育てていくことがポイントである。 企業が成長していけるか否かは、中堅幹部・中堅社員の育成スピードにかかっていると言っても過言ではない。企業が成長すべきか否かという議論をする経営者もいるが、企業は成長を止めると、現状を維持できるどころか衰退の一途を辿る。 自社の成長シナリオをしっかりと描き、中堅幹部・中堅社員の育成にスピードをあげて取り組んでいただきたい。
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