コンサルタンツ・EYE
『斧を研ぐ時間を確保せよ』 「木こりのジレンマ」という言葉を皆さんご存知だろうか? ある村に新しい斧を手に入れた木こりがいた。1日目、その斧で森の木を10本切り倒した。日を追うごとに彼はより長時間、より懸命に仕事に精を出すようになっていったが、それに反して、切り倒す木の数は日増しに少なくなっていった。 それを見た仲間が「なぜ斧の刃を研がないのか? ボロボロになっているから切り倒せないんだ」と彼にアドバイスをした。 すると働き者の木こりはこう答えた。「そんなことをしている暇があったら、もっと多くの木を切らなければいけない」と。 笑い話のように聞こえるが、私たちも知らず知らずのうちに、同じようなジレンマに陥ってる場合が多いようである。 A社は、関西を地盤とする中堅アパレルメーカー。しかし、売上増加とともに毎年増え続ける色・素材・サイズの違う生地(原材料)の枚数に頭を悩ませていた。加工依頼の注文が入る度に、膨大な生地の中から手作業で生地を探し出さなければならない。皆「どこかの段階で何とかしなければ」と思いながらも、日々の作業に忙殺されていた。 業を煮やした社長が自ら陣頭指揮をとり、裁断現場の社員を集め、3週間がかりで生地の仕分け及び在庫管理のシステムを作り上げたという。その後は生地を探す時間、顧客・社内への返答時間など、飛躍的に作業時間の短縮が図れた。 B社は中堅の戸建住宅業。お客様へ提出する見積り書式が統一されておらず、毎回社員が独自のフォーマットで作成しては、上司やお客様の指摘により都度修正を繰り返していた。見積り作成に忙殺される日が続き、本来割くべき営業活動に時間が取れない日が続いていた。 しかしながら、工事部長のC氏が1週間徹夜で統一フォーマットを作成し、課員の生産性は飛躍的に向上したという。 日々の業務に目を向けてみても、1日業務を中断してパソコンのスキルを上げる(上級者でなく、中級者レベルの技術をマスターする)だけで、時間生産性が飛躍的にUPした例もある。 私たちも時には立ち止って、自分自身の斧を研ぐ時間を確保することが大切である。ぜひ自問自答していただきたい。
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