タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE
『自分を売り、顧客のパートナーとなる』


 営業は「自分・会社・商品を売る活動」と言われる。中でも大切なのは“自分を売り、顧客のパートナーとなる”ことである。

 これをわかりやすく言い換えると、

自らの提案により“お客様の期待値を超えるサービス・商品”を創造する

──ということである。

 ある企業の営業担当A氏がまだ新人だったころ、世界有数企業であるJ社を訪問した時のエピソードを紹介したい。

 A氏が商談のテーブルに着くや否や、J社担当部長より「うちはベンダーではなくパートナーを求めています。せっかく訪問いただきましたが、よほどのことがない限り、今までお取引のない貴社との取引は難しい。」と言われたのである。

 その瞬間、J社との取引に情熱を感じていたA氏から、

「パートナーとして取引する価値があるかどうか、私を試して下さい!」

という言葉が口をついて出たのである。

 その言葉は半ばハッタリであったが、A氏の勢いと熱心さに負けたJ社担当部長から、プレゼンの機会をいただけたのである。当時、A氏はまだ経験も浅く、営業としてのスキルも未熟であったが、J社のパートナーとなるためにはどうしたら良いか、次のような視点で考えた。

1.今のJ社には何が必要か、何が価値か?(会社レベル)
2.自分がJ社の担当者であれば、何を求めるだろう?(担当者レベル)

 考え抜いた仮説のもと顧客ニーズを明確にし、その上で自社ができる最大限のサービスをプレゼンした。

 数日後に提案は採用され、パートナーとしての取引がスタートした。J社担当部長から「わが社のことをこれほどまでに考え、提案してくれる貴方と取引をしていきたい」と言われた。

 “自分を売り、顧客のパートナーとなる”ためには、まず顧客を好きになり「良くしてあげたい」「喜んで欲しい」という情熱を持つことがスタートである。相手の立場になりきり、相手以上に相手のことを考えるということを実践いただきたい。

 決して簡単なことではない。だからこそサービス・商品が顧客の期待値を超えた時、感動や信頼、そしてあなた自身の価値が生まれ、顧客の心を捉えて離さないのである。これが「真のパートナー」として選ばれる営業の醍醐味とも言えよう。



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