社会福祉法人の会計・経理Q&A


Q37
 基本金の概念はどのようなものですか。



A37

 基本金とは、法人の設立または施設の創設・増築もしくは社会福祉法人が維持持続するために必要なものとして、理事者等から収受した寄付金等の金額をいいます。
 基本金は、最低限維持しなければならないものとされているので、原則として、基本金を取り崩すことは認められていません。

 基本金の内容としては、具体的に次のものをいいます。

 [1] 施設の創設及び増築時の土地、建物等の基本財産等の取得を目的として指定された寄付金の額
 [2] 上記[1]に係る借入金の償還に充てるものとして指定された寄付金の額
 [3] 施設の創設時にあらかじめ有すべき運転資金として収受した寄付金の額
 [4] 定款の規定により基本財産に組入れた額

 このように、1号基本金と2号基本金は主に基本財産の取得のための寄付金が調達源泉となり、3号基本金は運転資金としての寄付金が調達源泉となり、4号基本金は経常活動の余剰金が調達源泉となります。これらを合計した基本金は、その全てが基本財産の取得に充てられているわけではないことから、基本財産と同額にはなりません。

 当該寄付金の収入があった場合には、事業活動計算書上、特別収入の施設整備等寄付金収入に計上し、基本金に組入れることにより、当年度の損益計算に影響させないようになっています。

(総勘定元帳系列の仕訳−損益計算)
借方科目 金額 貸方科目 金額
流動資産 <B/S> <特別増減による収益> <P/L>
現金預金 100 施設整備等寄付金収益 100
預金 施設整備等寄付金収益

(資金収支元帳系列の仕訳−資金計算)
借方科目 金額 貸方科目 金額
  <C/F> <施設整備等による収入> <C/F>
支払資金 100 施設整備等寄付金収入 100
  施設整備等寄付金収入

(総勘定元帳系列の仕訳−損益計算)
借方科目 金額 貸方科目 金額
<特別増減による費用> <P/L> <純資産の部> <B/S>
基本金組入額 100 基本金 100
1号基本金組入額 基本金

(資金収支元帳系列の仕訳−資金計算)
借方科目 金額 貸方科目 金額
  <C/F>   <C/F>
仕訳なし   仕訳なし