社会福祉法人の会計・経理Q&A


Q34
 岡山県民間社会福祉従事者共済制度に加入していますが、退職給付金を支給するにあたり、掛金累計額80万円、退職給付金100万円となっています。会計処理はどうなりますか。



A34

 掛金累計額よりも退職給付金の金額の方が大きい場合、県共済より退職給付金が送金された際の仕訳は次のようになります。


(総勘定元帳系列の仕訳−損益計算)
借方科目 金額 貸方科目 金額
流動資産 <B/S> 固定資産 <B/S>
現金預金 80 その他の固定資産 80
預金 退職給付引当資産

(資金収支元帳系列の仕訳−資金計算)
借方科目 金額 貸方科目 金額
  <C/F> <その他の活動による収入> <C/F>
支払資金 80 積立資産取崩収入 80
  退職給付引当資産取崩収入

(総勘定元帳系列の仕訳−損益計算)
借方科目 金額 貸方科目 金額
流動資産 <B/S> <サービス活動外増減による収益> <P/L>
現金預金 20 雑収入 20
預金 退職共済預け金差益

(資金収支元帳系列の仕訳−資金計算)
借方科目 金額 貸方科目 金額
  <C/F> <事業活動による収入> <C/F>
支払資金 20 雑収入 20
  退職共済預け金差益


 あわせて、退職給付引当金を戻し入れるための仕訳を行います。


(総勘定元帳系列の仕訳−損益計算)
借方科目 金額 貸方科目 金額
固定負債 <B/S> <サービス活動増減による収益> <P/L>
退職給付引当金 70 退職給付費用 70
   

(資金収支元帳系列の仕訳−資金計算)
借方科目 金額 貸方科目 金額
  <C/F>   <C/F>
仕訳なし   仕訳なし  
   


 退職給付引当金に関する会計処理は、前期末要支給額の金額で行います。
 なお、退職給付引当金の戻入の処理は、退職者の発生の都度ではなく、決算処理事項とすることもできます。