社会福祉法人の会計・経理Q&A


Q29
 「市町村の貸付資金事業」について、「貸付期間が1年未満の短期貸付事業」について、資金収支計算書の収入・支出科目はどうなりますか。



A29

 貸付から償還まで1年以内の貸付事業である「短期貸付事業」において、ワンイヤールール(1年基準)を適用して、流動資産の短期貸付金として計上してしまうと、資金収支計算書に収入・支出が計上されないことになってしまします。
 資金収支計算書には、各会の事業計画に基づく全事業活動にかかる年度収支計算を計上することによって法人活動全体の予算統制を行う計算書類であるため、資金収支計算書に計上されない事業活動があることは、法人経営上の資料として不充分ということになります。
 したがって、資金の貸付事業における「貸付金」については、短期貸付事業であるか、長期貸付事業であるかにかかわらず、「固定資産:貸付事業資金貸付金:○○貸付金」として計上します。

 資金貸付時における会計処理は次のとおりです。


(総勘定元帳系列の仕訳−損益計算)
借方科目 金額 貸方科目 金額
その他の固定資産 <B/S> 流動資産 <B/S>
長期貸付金 100 現金預金 100
   

(資金収支元帳系列の仕訳−資金計算)
借方科目 金額 貸方科目 金額
<その他の活動による支出> <C/F>   <C/F>
長期貸付金支出 100 支払資金 100
   


 資金償還時における元金返済及び利息収入の会計処理は次のとおりです。


(総勘定元帳系列の仕訳−損益計算)
借方科目 金額 貸方科目 金額
流動資産 <B/S> その他の固定資産 <P/L>
現金預金 100 長期貸付金 100
   

(資金収支元帳系列の仕訳−資金計算)
借方科目 金額 貸方科目 金額
  <C/F> <その他の活動による収入> <C/F>
支払資金 100 長期貸付金回収収入 100
   

(総勘定元帳系列の仕訳−損益計算)
借方科目 金額 貸方科目 金額
流動資産 <B/S> <サービス活動外増減による収益> <P/L>
現金預金 受取利息配当金収益
   

(資金収支元帳系列の仕訳−資金計算)
借方科目 金額 貸方科目 金額
  <C/F> <事業活動による収入> <C/F>
支払資金 受取利息配当金収入