相続手続き事例
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相続放棄したはずなのに…
(2011/05/30)

 相談者Aさんとその兄Bさんのもとへ、金融機関から一通の手紙による連絡がありました。

 文面によると「叔父であるCさんが亡くなり、その借金を返してほしい」とのこと。

 Aさん、Bさんは大変驚かれました。

 というのも、AさんBさん2名の父親Dさんと、母親及び祖父母はすでに亡くなっており、Cさんの存在は、Bさんがかろうじて覚えているに過ぎない中での連絡だったからです。

 一番不思議に思ったのが、AさんBさんは父親Dさんの相続放棄を、以前に済ませていたのに、「なぜ叔父であるCの借金の督促を我々が受けなければならないのか」ということでした。

 上記のケースは、Dさんの相続放棄をしている・いないに関わらず、代襲相続となるケースですが、AさんBさんにとってみると「父親の相続放棄をしているのだから、我々は相続人にはならないはず」との思い込みがあったようです。

 しかしながら、AさんBさんが行った相続放棄は、あくまで「父親であるD」の相続放棄であり、「叔父であるC」の相続を放棄したわけではないので、今回、叔父Cの相続が発生した場合は、あらためて叔父Cの相続放棄の手続を行う必要性があるのです。

民法第939条(相続の放棄の効力)
 「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす」の条文中、『その相続に関しては〜』の部分にあたります。




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