相続手続き事例
事例一覧はこちら

戻ってきた住宅ローン ― 2種類の手続
(2011/02/28)

 Bさんは、4ヶ月前にご主人が急死され、とりあえず年金関係の手続は夫の勤務先でしていただいたそうです。現在お住まいのマンションは住宅ローンを組んでおり、2人のお子さんともまだ小学生のため、今後も住宅ローンの返済を続けていくのは厳しいとの判断から、Bさんはマンションの売却を考えました。そして、まずは相続によるマンションの名義変更の手続の相談にみえました。私共の担当者は、Bさんのお話を伺うやいなや、次のように尋ねました。

 「ちょっと、待って下さい。住宅ローンには、借り主の団体信用生命保険が付いているはずです。確かめられましたか?」

 団体信用生命保険は、ローンの借り入れ契約時に原則として同時に契約する保険です。ローンの借り主が死亡された場合、残っているローン債務額は、団体信用保険金で支払われるので、以降のローン支払いは必要なくなるのです。マイホーム購入の際にはご夫婦でいろいろ相談されるのですが、ローンの契約内容や保険の効果などはご存知なかったのです。

 問題はこれだけではありません。生命保険の受け取りは、契約者の死亡と同時に権利が発生します。つまりBさんは、ご主人が亡くなられて4ヶ月後に相談に来られたので、それまでの4ヶ月分のローンとボーナス返済分、併せて約80万円は払わなくてよかったローンなのです。

 亡くなられてから手続をするまでにローン返済で引き落された合計金額は、返還手続をすれば戻ってきますが、それについては問い合わせなければ教えてもらえない場合が多いようです。また、このようなケースは金融機関によって取り扱いが異なりますので注意してください。




▼ 相続手続きの詳しい情報はこちらをクリック! ▼
あんしんの相続手続支援センター