相続手続き事例
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宗教の違いが思わぬ方向に
(2010/11/01)

 Bさんは、お母さまがお亡くなりになり、弟さんとの間で話し合いが出来ず、「弟が話を聞いてくれないので、どうしたらいいか」とご相談に来られました。

 原因はBさんの宗教のことでした。

 Bさんの家は、仏教徒(浄土真宗)だそうで、亡くなったお父さんもご先祖様も、仏教式のご葬儀をあげてこられていました。

 ところが、Bさん自身はキリスト教徒となっていたらしく、今回亡くなったお母さまの葬儀を、喪主としてキリスト教式で執り行い、それによって、地域の方や菩提寺のお坊さんは、大層ご立腹になられたようでした。

 それをきっかけに、弟さんは、Bさんに対して不満を漏らしているようで、Bさんが「相続で大事な話がある」といっても、聞く耳をもってくれないということでした。

 弟さんに話を聞いてみると、「兄は長男なのだから家を継ぐ、お墓を守っていってほしいと思っている。でも、キリスト教でお葬式をしたから、菩提寺さんからお母さんのお骨はお墓に入れられないって言われてしまった。」と大変困られた様子でした。

 しかし、手続きをしないと税金が納税できないこと、分割が終了しないといつまでも相続の問題を引きずってしまうことをご説明し、なんとかBさんと話し合ってもらえないかとお伝えしました。

 結局、家の祭祀を弟さんが受け持つこと、相続分もそれなりに弟が引き継ぐことをBさんも了解され、無事に分割協議書が完成し、相続税の申告も期限内に終了しました。

 しかし、兄弟の間にはしこりは残っており、今でもお母さまの法要のことや今後のお話など、大事なお話をまともにできていないそうです。

 自分のご葬儀をどのような形で行ってもらいたいのか、また、どのような形で弔いをしていってほしいのか、エンディングノートや遺言書などがあれば、この問題は起こらなかったと思われます。

 葬儀のやり方など、生前の希望があるならその希望をきちんと書面でお子さんに伝えておくことが、家族の争いを防ぐ一つの手立てとなるでしょう。




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