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 随時改定とは
定時決定とは  随時改定とは

随時改定とは

 被保険者の標準報酬月額は資格取得時(通常は入社時)、または年に一度の定時決定で決定もしくは改定されますが、報酬が昇給または降給により著しく変動したときは、次の定時決定を待たずに標準報酬月額が改定されます。これを随時改定といいます。

 随時改定は、報酬(固定的賃金)に著しい変動があった月(変動月)以後の3か月の平均を計算した結果2等級以上の変動があり、かつ変動月からの3か月のすべての月において、支払基礎日数が20日以上あった場合に適用されます。
 標準報酬月額の改定は、4か月目からとなり、1月〜6月の改定の場合はその年の8月まで、7月〜12月の改定の場合は翌年の8月まで適用されます。


対象者

 対象者は昇給・降給などで固定的賃金に変動があり、変動月からの3か月間に支払われた報酬の平均に該当する標準報酬が従前のものと比べて2等級以上の差が生じた場合で、各月の支払基礎日数が20日以上ある人です。


支払基礎日数

 給与計算の対象となる日数を支払基礎日数といい、随時改定の場合は変更月からの3か月にこの日数が20日未満の月がある場合は、随時改定は行われません。

 定時決定の場合と同様支払基礎日数は、日給者の場合は出勤日数がそれにあたり、月給者や週給者の場合は、通常給与計算の基礎が暦日で、日曜日なども含むのがふつうなので出勤日数に関係なく、暦日が支払基礎日数になります。
 ただし、欠勤控除として、給与が差引かれる場合は、その日数は除きます。また、有給休暇は支払基礎日数に含まれます。


固定的資金

 固定的賃金とは、支給額や支給率が決まっているものをいい、次のようなケースがあります。
・ 昇給(ベースアップ)、降給(ベースダウン)
・ 給与体系の変更(例:日給から月給への変更)
・ 時間給や日給の基礎単価の変更
・ 歩合給などの単価・歩合率の変更
・ 家族手当、住宅手当、役職手当などの固定的手当の変更
また、固定的賃金非固定的賃金には次のようなものがあります。

固定的賃金の例
月給、週給、日給
役職手当、家族手当、住宅手当
基礎単価、歩合率、など
非固定的賃金の例
時間外手当、能率手当
日・宿直手当
皆勤手当、精勤手当、など


事務手続き

 対象者について、「被保険者報酬月額変更届」に変更月からの3か月に支払われた報酬月額(給与等)、その他必要事項を記入し、保険者(社会保険事務所または健康保険組合・厚生年金基金)へ提出します。


随時改定にならない場合

 固定的賃金が上がったのに、時間外手当などの非固定的賃金が減ったために、標準報酬が2等級以上下がった場合には、随時改定の対象にはなりません。また、固定的賃金が下がったのに、非固定的賃金の増加で逆に標準報酬が2等級以上上がった場合も同様に随時改定の対象にはなりません。


標準報酬の上限・下限の随時改定

 標準報酬月額には上限・下限があり、それにかかっている人は、報酬に著しく変動しても等級が2等級以上差が生じないことがあります。例えば、38等級の人は、報酬がどんなに上がっても2等級以上の差が生じません。そこで、次に掲げるような措置をとり、随時改定をすることになっています。

昇給の場合
健康保険従前の等級が38等級 報酬月額が1,005,000円以上の場合 39等級
厚生年金保険(29等級) (635,000円以上) (30等級)
健康保険・厚生年金保険従前の等級が1等級で報酬月額が95,000円未満 報酬月額が101,000円以上の場合 2等級

降給の場合
健康保険従前の等級が39等級で報酬月額が1,005,000円以上 報酬月額が955,000円未満の場合 38等級
厚生年金保険(30等級)で報酬月額が635,000円以上 (605,000円未満) (29等級)
健康保険・厚生年金保険従前の等級が2等級 報酬月額が95,000円未満の場合 1等級