●元帳と試算表 ・元帳 発生した取引を「仕訳」という簿記独特の言語に変換し、それを項目ごとに分類して記憶しておく記憶装置のようなものです。 ・試算表 会計期間の終わりにかけて、元帳記録の状態の一覧表を作成します。 近年においては、コンピュータの発達により、経理担当者は転記作業から開放されました。かつての経理担当者は、どこかで転記ミスをしたために試算表が合わないという事態になり、その原因を探し、試算表(下記参照)を合わせるという非生産的な作業を毎月繰り返していました。ゆえに、ミスをしても、かぎ分ける(原因を究明する)テクニック(カン)はすばらしいものであったといえます。しかし、時代はこうした彼らのテクニックを必要としなくなりました。とはいうものの、実務に携わっている方々は、日頃お世話になっているパソコンの中で何が行われているかを知っておくことは非常に重要だと思われます。 ●設問例 A社の会社設立から、必要な備品の購入、商品の仕入、経費の支払、商品の売却、給料の支払を元帳に記入していきましょう。 ■設問■ 下記の取引の仕訳を行い、総勘定元帳に転記しましょう。
■答■ <仕訳>
<元帳記入>
<試算表> 仕訳の内容は元帳に転記され、その後勘定科目ごとに集計され、試算表を作成します。試算表は元帳記録の内容の一覧表です。各勘定科目の借方・貸方を仕訳のルールに基づい足したり引いたりして、残高を出しその残高で一覧表をつくります。これを『残高試算表』といいます。また、各勘定科目の借方・貸方それぞれの合計をだし、その合計で一覧表をつくった場合は『合計試算表』といいます。この2つをあわせたものを『合計残高試算表』といいます。
『借方』が属していた資産と費用は残高試算表が正常につくられた場合、残高が借方にくる勘定科目の集まりです。同様に『貸方』に属していた負債と資本と収益は、残高が貸方にくる勘定科目の集まりです。 <資産+費用=負債+(期首)資本+収益>
上記の式は、試算表等式と呼ばれ試算表の借方と貸方が必ず一致するということを表します。 |