能力主義の人事制度 次に、能力主義の人事制度について、ご説明致します。 バブル期経済が終焉を迎えたのち、市場ニーズの高度化・多様化や業界業種間を超えた企業間競争の激化など企業を取り巻く経営環境は日々厳しくなっております。 また労働者の高齢化の進展により、年功序列型人事制度が人件費の増大を招き、賃金コストがさらに企業の経営を圧迫しています。従来からの年功序列型人事制度は限界を見せはじめ、企業は生き残りをかけて、新たな人事制度の展開を見せはじめています。 成熟した市場において、高度化・多様化する顧客のニーズにこたえる為には、過去の協調性や帰属意識とはかけ離れたものが要求されます。商品開発やサービスの「独創性」「目新しさ」が優先され、「創造性のある個性豊かな人」が求められております。 そこで人材の質的なレベルアップと、企業内部の構造改革を図る為、能力主義人事制度の導入がされております。
導入・運用の留意点 せっかく能力主義的人事制度ができたところで、実際に運用する段階で、旧来の年功序列的な慣行が残っておれば、人事制度改革は上手くいったとはいえません。 その理由は、制度改革の趣旨自体が、企業組織内に伝わっていないので、旧来の年功序列制度のまま行われているということです。制度導入を成功させるためには、導入前に十分な準備と社内PR(半年以上のPR期間は用意するべきです)を行います。 そして新人事制度において、制度の運用に直接携わるのは、やはり各役職者及び部門監督者です。これらの社員には、徹底した認識、理解を周知させます。昇格や処遇に関する人事考課は、能力主義人事制度の基幹に触れる重要な部分です。年功序列的な考え方が入らないよう、厳正な運用を実施します。 |