期待する人材像を反映させる 考課制度の設計にあたっては、会社が期待する人材像を反映させるように考課項目や考課基準を設定します。具体的には、「このような能力を伸ばして欲しい」「このような姿勢で仕事に取り組んで欲しい」という会社の要望を考課項目に盛り込み、それぞれの重要度に応じてウェイトづけを行います。 開かれた人事考課を目指す 考課の目的・考課制度の内容・考課項目・考課基準・考課方法などは、社員に対してあらかじめ公表する必要があります。どのように評価されるのかがわかれば、社員は評価が上がるように努力します。考課項目や考課基準を認識させることにより、各自に明確な課題を与えることができます。逆に、制度自体が公開されていないと、会社に対する不信の原因ともなりかねません。 結果をフィードバックする 人事考課の結果がわからなければ、社員は自分の処遇が適当であるかどうかの判断ができません。また、今後どのような努力をすればいいのかもわかりません。このため、人事考課の結果を被考課者にフィードバックする必要があります。フィードバックの際には、単に結果を報告するだけにとどまらず、 『なぜそのような結果となったか』 『どのような点が優れていたか』 『どのような点がいたらなかったのか』 『今後、どのような点に注力して欲しいのか』 などについても言及し、今後の方向性を明確にします。 人事諸制度との関連付けを行う 人事考課は評価を行うだけでは意味がなく、賃金・職位・人員配置などに評価結果が合理的に反映されなければなりません。つまり、人事考課制度を含めた人事諸制度は、それぞれ単独の制度として存在するのではなく、すべて有機的に結びついている必要があるのです。下図は、日本の代表的な人事制度である『職能資格制度』を中心とした、各人事制度の結びつきを表したものです。人事考課の結果により職能資格制度上の等級(職能等級)が決定し、それにより賃金などその他の処遇が決定するしくみになっています。 考課者に対する訓練を行う どんなに優れた人事考課制度を設計しても、考課者がきちんとした評価をするだけの能力がなければ、その評価は正当なものではなくなってしまいます。考課者が正当な評価をすることができるか否かが、人事考課制度にとって非常に重要になってきます。そのため、考課者に対して事前に考課者訓練を実施する必要があります。 |