経営支援徒然帖

人材育成の難しさ

(17/3/9)

 企業の運営において、人の問題は切っても切れないものだと思います。

 大企業に比べ中小企業の場合は、良い意味でも悪い意味でも社員一人のマンパワーが会社に与える影響は大きいものです。既存の事業も安定してきており、新規事業を始めたいと考えてらっしゃる会社の経営会議に参加させていただいた時のことです。

 その会社は、お金の管理はもちろん、新人の教育から給与計算や請求書の発行といった事務作業まで社長お一人でこなしてらっしゃる、いわゆるワンマン経営でした。

 新事業を始める前段として、既存事業については創業当初から働いている社員の方をリーダーとして、業務を任せようとしていました。

 しかし、本人の意識が低かったこともありましたが、今まで現場以外のことは社長が全てこなしていたので業務の質、量ともに引き継いでいくことが難しく、その社員の方も徐々に引き受けることを嫌がり、最終的には会社を辞めることとなりその後の売上にも影響が出そうな状況となってしまいました。

 ある程度の規模に会社が拡大するまでは、社長が会社の全てを把握できてしまうだけにその業務を下の者に徐々に引き継いでいくという意識が薄れてしまい今回のように、いざ新たに動くときに業務を円滑に引継げないという問題がでてきてしまいます。

 自社がいつ転換期を迎えるかはわかりませんので早い段階から、先を見据えた人材育成に取り組んでいきたいものです。