経営支援徒然帖

「やるき」「能力」「責任感」「営業力」「管理能力」の視点で
社員の棚卸をしてみよう!!
(16/02/10)

 今年も、賞与の査定にあたって人事考課で悩まれた経営者も多いことでしょう。

 各言う私もその1人である。これからの時代、人材が企業競争力の要であり、経営者に最も必要な力の一つが人を見抜く力だと言っても過言ではありません。


人事考課の難しさ

 人が人を評価することは、大変難しいものですが、さりとて評価をしないとできる社員も働きが悪い社員も賃金や昇進で同じ扱いを受ける「悪平等」につながって、会社の活力が生まれません。

 例えば社長が、人事考課の結果をA〜Eの5段階区分になるように努力しても考課結果が中間評価のCに集まってしまい、メリハリのある考課にならない、と言った悩みが生まれます。社長としては、良く頑張った者とそうでない者を明確に区分して、社員のモラールを上げたいと思っても、メリハリのある評価結果が出せないことがよく起こります。


人事考課・5つの誤り

 人事考課で陥り易い誤りの代表的なものは次の5項目です。

1. ハロー効果:ハロー(HALO)とは、太陽・月などのかさや後光のこと、ハローがかかっていると本体が見えにくくなり、部下のある特性が優れている(又は劣っている)と他の特性も同じに見えてしまう誤り

2. 寛大化傾向:常に甘い方へ偏ってしまう誤り(人情・愛情・好意・部下に恨まれたくない、などが原因)

3. 中心化傾向:考課が「普通の成績」にあつまり、優劣に差がない傾向(考課をする人に自信がないことが原因)

4. 論理誤差:「責任感」「規律」など考課の概念が似ていると、同じ考課にしてしまう誤り

5. 対比誤差:考課者が自分を基準にして考課する結果、生じる誤り(自分の専門分野については厳しく、専門でない分野については甘くなるのが原因)


誤りを防ぐ対策

 社長として、評価を受ける社員が「どんな立派なことを言ったか」ではなく、「実際にどんな時、どんな行動をとったか、その結果はどうなったか」に注目して、優れた点、劣った点を褒めたり、注意したりしながら、都度具体的に記録しておき、きちんと見分け、メリハリのある考課を実践することが5つの誤りを防ぐ共通のカンどころです。