経営支援徒然帖

とっても役立つ1冊「すっきりわかる 利益の出し方」三笠書房
(14/12/09)

「すっきりわかる 利益の出し方」三笠書房 企業192社の儲けのからくり公開と銘打った1冊は経営会議でとても参考になります。

 筆者が常々提言している企業の上位3大経費、75%で2%の営業利益を確保します。

 その視点で同業他社比較で自社の改善点をつかみ、改善していく方法に本書はとても役立ちます。数字それ自体は無味乾燥なものでする。まして数字は、日々一刻と動いている血液のようなものなのです。

 しかし、数時に現れる、原価率、人件費率、地代家賃率は、仕入の選定、運送保管、売上予測、メニュー、接客、広告宣伝、販促活動、・・・客単価、客数動向、価格競争等々といった結果を含めて、企業やそこで働く社員やアルバイト、パートの人たちのすべての創造力の結果と言えます。毎月1回、定例の経営会議・役員会で経営数字の中身を検討し、経営陣が自らも含めて、全社員の創造力の結果を評価し、問題点や課題、創造力を発揮できる環境整備は経営陣の大一番の仕事ではないでしょうか?

 他社に比してすぐれている点、弱点、そのために会社の経営陣がしなければならないことは何か、改善方法は、手順は、行動計画は等々、仕事は山積みです。この1冊は私たちが利用する機会の多い小売や外食の各店舗について、1000円の売上で原価が何円かかり、人件費や地代家賃に何円かかっているか、営業利益は何円かを記しています。ユニクロは100円売って16円儲けています。ヤマダ電気は100円売って3.6円、靴のABCマートは100円で20.8円儲けています。

 そして、その儲けの秘密は3大経費のコスト削減の結果とも言えます。本書はそのからくりを教えてくれる1冊です。