経営支援徒然帖

売上高利益率=利益と言っても色々
(14/03/11)

 売上高利益率は企業の収益力を測る指標です。計算式は以下となりますが、分子の利益にどの利益を採用するかで、意味合いが違ってきます。

利益÷売上高×100%=売上高利益率

 分子に売上総利益を利用すると 売上総利益は、損益計算書では売上原価の下に表示され、売上から売上原価をマイナスしたものでありますから、売上高総利益率と呼称され、企業が提供する商品またはサービスの内容の競争力を測るために利用されます。

 分子に営業利益を利用すると 営業利益は、損益計算書では、販売費及び一般管理費(以下「販管費」と言う)の下に表示され、売上総利益から販管費をマイナスしたものでありますから、売上高営業利益率と呼称され、企業が提供する商品またはサービスの内容と更に販売活動の成果を合せた、企業の競争力を測るために利用されます。

 分子に経常利益を利用すると 経常利益は、損益計算書では、営業外損益の下に表示され、営業利益から、営業外の損益を加減算したものでありますから、売上高経常利益率と呼称され、企業の営業活動と財務活動を併せた全体の収益力を測るために利用されます。因みに、銀行などはこの数字を重視します。

 分子に当期純利益(税引後)を利用すると 当期純利益は、損益計算書では一番最後に表示され、企業の一会計期間の最終利益を表したものでありますから、通常売上高利益率というと、この当期純利益を指します。更に貸借対照表の資本の部に加算され、自己資本として蓄積されるものですから、株主が一番興味を持つところでもあります。

 各々の利益率を連年で比較すると、貴社の収益性の傾向が見て取れます。是非一度お試しください。