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(14/02/10)
中小企業の資金調達は厳しくなっています。無担保・無保証のいわゆるビジネスローンから、みずほ、りそな、中央三井各銀行が撤退し、残った三井住友、三菱東京UFJも審査が各段に厳しくなっています。 また、保証協会付き融資の部分保証制度の導入により、銀行は保証協会付き融資の斡旋にも慎重な姿勢を取り始めています。唯一の朗報は国金の無担保・無保証融資2,000万円枠の4,000万円までの拡大です。しかし、これとて企業が健全に運営されて初めて可能な資金調達と言えます。現状の財務構造に即した資金対策を事例報告したいと思います。 【1】優良かつ健全な会社や個人 営業収入−営業支出=差引営業収入 通常、減価償却費+税引き後利益の範囲で借入金の返済が可能な会社や個人 〔事例〕 営業収支1,000万円、年間金融機関返済額1,000万円。 この場合借入金を返済するためのお金を調達する必要がなく、新たな資金調達が発生しない無借金経営に近い会社と言えます。 【2】優良会社であるが財務構造に問題がある会社 営業収入−営業支出=差引営業収入 通常、減価償却費+税引き後利益 の範囲で借入金の返済が不可能な会社や個人 1. 運転資金が多額に必要な会社 〔事例〕 売掛金・商品在庫等残高−買掛金残高=必要運転資金 人材派遣業や出版業、建設・不動産業のように仕入代金や売掛・在庫が多額で必要である場合は、規模の拡大と資金調達は緻密な経営判断が必要です。
2. 設備投資が多額な会社 (製造業等に多い。設備投資の耐用年数が長く税法上の減価償却費と資金調達の返済期間が大きくズレている場合) 〔事例〕 建物50年 返済期間10年 の場合、減価償却費+利益では返済不可能なので、個別に資金収支を立てる必要があります。
中小企業では一番多いケースであり、損益計画と資金計画を作成し、国金・保証協会付き融資、ビジネスローン、定期預金解約、経営者個人資産投入等のダム理論「故松下幸之助が提唱した企業の安全弁づくりの経営手法」で対応可能です。 年度始めに損益計画と資金計画を立て、年間必要金額を銀行に事前に申し込みます。心配であれば、金利がかさむが年度始めに必要資金の調達を済ましてしまうことが安心であり、後は損益計画を確実に実行していくだけです。
ここ数年ビジネスローンで資金繰りに悩まず、少し浮かれて放漫経営気味だった会社の多くがこのようなケースに該当し、折り返し融資を断られ倒産に至っています。この場合の対策は以下の手順が必要です。折り返し融資が不可能であれば、条件変更交渉以外にありません。
2)銀行の返済条件交渉にあたっては、借入金を以下の4種類に分類する。
以上の返済条件交渉でのデメリットは ◎今後一切の融資が不可能であり、完全な無借金経営が求められる。 ◎売掛金、工場等の差し押さえ等で倒産する場合もありえる。 ◎入金は即返済に回されるので、入金口座は借入銀行以外で行う必要がある。
即廃業の準備をします。この場合に、絶対にしてはならない行為は以下です。 1) 家族・親族・友人からの借金…会社を失うだけではなく、人間関係も失う。
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