経営支援徒然帖

知って得する税金の話
(13/06/10)

日当は法人税と所得税どちらも非課税

 出張時にかかる旅費は、不必要に豪華なホテルに泊まったり、観光をしたりしない限り、旅費として経費処理できます。この旅費には通常、交通費、宿泊費、日当などが含まれます。

 このうち、交通費、宿泊費は実費精算をして経費処理ができます。

 しかし、日当には給与としての性格もあるので、実費精算は不可能です。


旅費規程に基づいた定額制なら、日当、宿泊費は経費処理できる

 日当が一定の基準に基づいて定額制で支給されている場合は、経費として認められます。しかも、支給される社員も、給与として課税されません。同様に、一定の基準に基づいて定額制で支給されるものであれば、宿泊費も(実費精算によらず)経費に認められます。では、「一定の基準」とは何かというと、これが「旅費規程」と言われるものです。

 旅費規程には、2つの条件が必要とされています。特定の人に有利な、不合理な基準であったり、一般より高額の水準にある場合は、必要と認められる金額を超える部分は給与として、所得税がかかるということです。

 特に役員の場合、社員に比べて高額なのが一般的ですが、度が過ぎると役員賞与とみなされ、所得税が課税されるばかりか、会社の経費としての処理もできないことになります。

きちんとした旅費規程があれば大丈夫!

◆旅費規程に必要なポイントは?

1)役員、従業員を通じて、支給額にバランスが保たれていること
2)同業種、同規模の他社と比較して、支給額が妥当であること


 これで日当、宿泊費が経費処理できるから安心です。

◎旅費規程 サンプル

第1条   役員、従業員が業務のため出張するときは、本規程により旅費を支給する。
第2条   旅費は、交通費、日当、宿泊料とし、交通費は鉄道費、船費、航空賃、その他にわけ、表の基準により支給する。
第3条   出張者は、出発前に旅費仮払いを受けることができる。但し、原則とて3日以内に精算しなければならない。
第4条   本規程に定めのない事項および本規程により難しい場合は、その都度社長が決定する。
第5条   本規程は [△△年△△月△△日] より施行する。


出張の報告書等も清算書とともに保管

 旅費規程を運用する場合は、通常、旅費清算書のほか、出張の届出書(申請書)、報告書の提出も定められています。これらは、実費精算に代わる出張の証拠書類ですから、旅費精算所と一緒に保管しておきましょう。

区分 交通費 日 当 宿泊料
鉄道費 船 費 航空賃 その他 (円) (円)
代表者 グリーン 1等 ファースト 実費 10,000 30,000
その他の役員 グリーン 1等 ビジネス 実費 8,000 20,000
従業員 普通 2等 エコノミー 実費 5,000 10,000