経営支援徒然帖

ちまちました経費削減を指示してはいけない
(11/11/10)

多くの会社には、「経費削減」とか「効率よく働こう」というスローガンが掲げられています。しかし現実には、「経費削減」というスローガンのもとに重箱の隅をつつくようなことをしても、逆効果になるケースが多いのです。

小さな会社の社長には、「封筒の裏を使え」「鉛筆はとことん短くなるまで使え」「不要な電灯はいっさいつけるな」「コピー用紙の裏紙を使え」等々細かな経費の節約をしつこく繰り返す人が多いようです。しかし、その類の小さな経費削減は、実際にはほとんど無意味なのです。そんなことをしても会社の儲けにはほとんど何の関係もありません。

もちろん、小さな会社の経営は難しいでしょう。ムダなことをしてはいけない、という精神的なスローガンも必要でしょう。

しかし、それにしても、重箱の隅をつつくような節約は、「やらないよりは、やったほうがマシ」といった程度の効果しかないことを知っておいたほうがいいでしょう。 肝心なのは、より大きく動いている経費を抑えることなのですから。「より大きく動いている経費」とは、会社の上位の経費のことです。特に作業量・売上げが増えても減っても、同じ支出になる固定経費を圧縮することを考えるべきです。固定経費の中でも、これから先、会社が目をつけなければならないのは、粗利益額のおよそ半分前後を占めている人件費なのです。