経営支援徒然帖

買掛・売掛・在庫の管理は 商売の基本
(11/08/10)

 中小零細企業では、なかなか毎月在庫の棚卸や、売掛・買掛の管理を行っている企業は少ないようです。

 その言い訳としてよく言われるのが
「ウチはどうも経理がしっかりしていないから」あるいは、「まだまだ小さいから、毎月の在庫の棚卸まで手が回りません」と言った社長さんの発言です。

 しかしよ〜く考えてください。

 商売の基本は物を買って代金を支払い、儲けをのせて売り、代金を貰って初めて完結します。しかし、世の中複雑になるとなかなかこの原則が分からなくなります。

 物を買っても代金を支払うまでは買掛となります。代金を支払っても、それが売れるまでは、在庫となります。更に、売っても代金が回収されるまでは、お金が売掛となって姿を変えています。いくら儲けをのせて売ったとしても、代金を貰ってなければお金は入ってきません。
 更に、代金(現金)の代わりに、手形や小切手やファクタリングなどの信用取引が介在すると、ますます複雑になります。そこで経理の専門家が必要となるのです。

 商売の基本は全く変わりません。
 物を買ってその代金を支払う時、それが間違いないかを確認する作業が買掛の管理です。更に、その物が売れるまでは在庫として残っていますから、売れ残りがいくら在るのかを確認する作業が在庫の管理です。
 そして、売れたお金が回収できたのかどうかを確認する作業が、売掛の管理です。ですから、買掛・売掛・在庫の管理は経理の仕事と言うよりも、商売の基幹業務なのです。

 昔は大福帳でした。それを複式簿記で正しく表示するかどうかは経理の仕事ですが、複式簿記で表示するしないに関わらず、買掛・売掛・在庫は必ず毎月把握しておく必要があります。