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(11/05/12)
在庫は利益の源 現在の制度会計では、製造に係る人件費等の固定的な経費も仕掛品や製品の在庫として計上することとなっています。ですから、売れても売れなくても製品さえ作れば利益は出ることになります。 なんでそうなるの? 少し解り難いと思いますので、以下に事例を示します。 製品単価100円で材料費率20% 外注比率10%製造経費5000円で100個売った場合 100個作って売った場合在庫は0ですから 10,000円(売上)−2,000円(材料費100個)−1,000円(外注費100個) −5,000円(製造経費) =2,000円(製造利益) 200個作って100個売った場合は 10,000円(売上)−4,000円(材料費200個)−2,000円(外注費200個) −5,000円(製造経費)+5,500円(100個は在庫) =4,500円(製造利益) 大量生産はコストを下げる 今までは、同じ100個売ったとしても沢山作って売ったほうが1個当りの利益が大きくなると説明されてきました。それは残りの在庫100個も売れるという前提の話です。 もう一つの見方 別の見方をすると、在庫5,500円の内、2,500円は製造経費分です。 要は製造経費の翌期への繰延に過ぎないと言うことです。 そして在庫を減らすと言うことは、この繰り延べられてきた製造経費が一気に製造経費として計上されるということなのです。 在庫を減らすと 在庫はお金が寝ているのと同じですから、在庫を減らすことは資金的にはプラスです。在庫を減らすと、資金繰りは良くなっても利益は落ちると言うことです。大手メーカーの在庫調整による大幅な赤字の一因には、このような制度会計による弊害も考えられます。 |