移転価格税制とは

移転価格リスクへの対応策〜事前確認(APA)

(11/12/08)

 事前確認とは、納税者が税務当局に申し出た独立企業間価格の算定方法等について、税務当局がその合理性を検証し確認を与えた場合には、納税者がその内容に基づき申告を行っている限り、移転価格課税は行わないという制度です。

 また、事前確認の目的は、独立企業間価格の算定に関して、税務当局と納税者の間で事前に確認することにより、移転価格課税に関する納税者の予測可能性を確保し、移転価格税制の適正・円滑な執行を図ることにあります。

 事前確認の類型としては、一国のみの事前確認と、外国当局との相互協議の合意に基づいて行う相互協議を伴う事前確認があります。国税庁は、税務行政上及び企業経営上の双方の視点から、二国間事前確認に代表される相互協議を伴う事前確認を積極的に推進しています。その理由は、一国のみの事前確認の事前確認においては、その締結後も国外関連取引を有する外国の納税者が外国の税務当局に課税され、二重課税が生じるリスクが依然として残るのに対して、相互協議を伴う事前確認においては、そのようなリスクが外国の税務当局との相互協議を通じて回避されるためです。

 国税庁の相互協議を伴う事前確認への積極的な姿勢は、移転価格事務運営要領5―12(1)において、「局担当課は、確認申出法人が事前確認について相互協議の申立てを行っていない場合には、二重課税を回避し、予測可能性を確保する観点から、当該確認申出法人がどのような申出を行うかについて適切に判断できるよう必要な情報の提供等を行い、当該確認申出法人が相互協議を伴う事前確認を受ける意向であると確認された場合には、相互協議の申立てを行うよう勧しょうする。」と明記されていることからも明らかであるといえます。

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