経営者・経理総務担当者向け 実務月刊誌ビジネス支援 第224号

 ≪CONTENTS≫

 今月の特集・・・ 『経理の合理化・・パソコン会計を活用する』
 経理・税務・・・ 『中小企業と確定拠出年金』
 経営・財務・・・ 『歴史に学ぶ・・・戦国時代と企業経営』
『どうする?決算処理 販売代金が確定していない売上』
『10年で年金受給権ができる』

バックナンバー



 今月の特集

経理の合理化・・パソコン会計を活用する
【1】NO伝票によるパソコン会計処理

 経理合理化の一番の近道は、振替伝票を一切起票せず、原始証憑から直接パソコン会計に入力することです。

 用意する原資証憑:原則お金の出入りがあった場合の証憑

(1)現金出納帳・営業日報と領収書
(2)預金通帳等
(3)自社発行請求書
(4)仕入・外注等請求書
(5)給与台帳
(6)借入金返済表
(7)税金関係
(8)物品購入時の取引証憑等

 コツは、パソコン会計を活用して、すべての手計算の集計表をなくし、データを活用することです。

成功のためのポイント!

 「パソコン会計を導入したけれど、かえって能率が悪くなった、手間が増えた」という声をよく聞きます。その原因は?「原始証憑から手書伝票へ、パソコン会計入力の手間だけ増えた」「経営者の恣意的な集計表業務が多く結局手書きの集計業務が減らない」等、これらの問題は最初から必要な補助集計を決定し、部門・補助科目を入力しておくことで合理化できます。

(1)導入がうまくいかない会社のほとんどは、手書帳簿を見ながらパソコン会計へ入力をしています。預金の入力は、通帳を見ながらします。預け入れ欄を見て、借方 預金/売掛金と入力し、次に支払欄から、通信費/預金等を入力していきます。1日・1週間分の通帳入力が終了したら、検証を預金元帳の残高と通帳残高の一致を確かめていきます。

 手書の振替伝票からパソコン会計に入力している会社が意外と多いようです。原始証憑から直接パソコン会計に入力しましょう。普通預金通帳を見ながら、普通預金/売掛金【得意先補助】と入力していき、入力が終わったら必ず通帳と帳簿の残が一致しているか確認しましょう。

(2)自社発行の請求書綴りより、請求書を見ながら、請求日付・金額・請求先補助科目等を入力します。売掛金【A社補助科目】/売上 入金は、通帳を見ながら原始証憑の請求書に領収印を押印し、現預金/売掛金【A社補助科目】と入力します。自動的にA社の補助科目元帳が作成でき、お金の出入り、未収金額が一目瞭然となります。

この続きは月刊「ビジネス支援」本誌にて…

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中小企業と確定拠出年金

  2016年5月の改正に伴い、ほぼ自営業者等に限られていた個人型確定拠出年金の加入範囲が拡大し、多くの人が確定拠出年金に加入できるようになりました。また、今後、企業型確定拠出年金への中小企業の加入も容易になるよう改正が予定されています。今回は、確定拠出年金のポイントをまとめていきます。

●確定拠出年金とは

 確定拠出年金(以下、「DC」といいます)とは、企業や個人が拠出する掛金をあらかじめ決めて、拠出された掛金が個人ごとに明確に区分され、運用を個人が行い、運用成果が将来の給付額を決定する私的年金制度です。日本の年金制度は、主に3つの階層において複数の年金があります。一般的に「3階建て」と表現されています。

 第一に、20歳以上の全国民が加入する「国民年金」(基礎年金)が基本です。1階部分と形容されています。国民年金は加入期間(保険料納付期間)の長さで金額が決まります。

 2016年度の場合、「年78万100円×加入月数÷480」で計算されます。40年間(20歳から60歳まで)保険料を支払っていたら、年78万100円を受け取れることになります。1ヶ月あたり約65,000円です。

 第二に、民間のサラリーマン等が加入する「厚生年金保険」があります。厚生年金は加入は強制となり、選択の自由はありません。公務員等は「共済年金」に加入していましたが、「被用者年金制度の一元化」によって、2015年10月に厚生年金と共済年金は統合されました。自営業者・フリーランスは「国民年金基金」に加入できます。加入すると追加の掛金の負担がありますが、将来の年金額は増加します。2階部分と位置づけることが可能な制度です。こちらは強制ではなく、任意加入です。

 第三に、企業によっては独自の年金制度が用意されています。「企業年金」と呼ばれています。公務員には「職域加算」という上乗せの年金があります。厚生年金との統合後は、「年金払い退職給付」と名前が変わり、賦課方式から積立方式へ移行し、終身年金一本から終身年金と有期年金(20年間)という形に変わります。

 この他に、3階部分として個人年金として積み立てられる制度として、「確定拠出年金」があります。賦課方式ではなく、完全拠出方式です。加入者が支払った掛金を年金の事務局が集約して、リタイアした人に給付するという仕組みではなく、自分が支払った掛金は自分専用の口座に積み立てられ、将来リタイアした際にはその金額が自分に給付されるという仕組みです。イメージ的には、保険会社の年金保険や学資保険と似た仕組みです。掛金払い込み中の人・需給中の人のバランスや、年金全体の運用状況には左右されません。完全に自分が支払った掛金の額と、自分の運用の成果によって、将来の給付が決まります。

 DCの老齢給付金は、老齢厚生年金よりも早く、60歳からの受給が可能となります。

 確定拠出年金とは、大きく分けて「企業型DC」と「個人型DC」があります。

 なお、事務処理はどちらも基本的には金融機関等(銀行、信用金庫、証券会社、信託会社、生命保険会社等)に委託されることが多いです。

この続きは月刊「ビジネス支援」本誌にて…

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歴史に学ぶ・・・戦国時代と企業経営
織田信長の栄光と挫折 事業承継の難しさ

 戦国時代は織田信長が終止符を打ったと言われています。

 しかし中には武田信玄や上杉謙信の方が織田信長より強く、織田信長は彼らが先に死ぬことによって天下人になったと言う人もいます。しかしこのような人は歴史の流れを本当に理解していない人と思われます。確かに個々の豪傑は武田や上杉にたくさんいたと言われています。なぜなら武田氏は清和源氏の名門であり、昔から甲斐の国の守護で、武田信玄の時代に戦国大名化したと言われています。上杉謙信も元は長尾景虎といい、代々越後の守護代でしたが、主筋の上杉氏が関東の地を北条氏に奪われ、越後に逃げてきました。そこで室町幕府の関東責任者ともいうべき関東管領職を景虎に譲り、上杉謙信となりました。

 武田・上杉とも甲斐・越後の武士団の棟梁であり、多くの在地の土豪を従えていました。それに対して織田信長の軍団は秀吉を始め、武士というより傭兵に近い集団でした。ここから尾張武士は金で買われた弱兵で、武田の騎馬兵や上杉謙信のカリスマ的指揮に従う越後兵に絶対勝てないと思った人も多いと思われます。講談話ならそれも良いですが、物事の本質を知るには不足です。

 尾張の傭兵がなぜ天下を取ったのか? 傭兵だからこそできた24時間、365日の戦争ではないでしょうか。反対に武田も上杉も、農民兵が多く、種まき、稲刈り時には戦争ができなかったことが最大の敗因ではないかと思います。それに対して傭兵も別の言い方、職業軍人と言い換えれば、1年中どこでも戦争ができる軍隊と言えます。他の戦国大名は民兵組織みたいなものですから、職業軍人主体の正規軍化している織田軍にかなうはずがないと言えます。

この続きは月刊「ビジネス支援」本誌にて…

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どうする?決算処理 販売代金が確定していない売上
税務調査でチェックされる売上計上基準

  税務調査では、まず調査対象年度の売上高の計上時期に誤りがないかチェックが行われることが通常です。

 法人税法では、棚卸資産の販売による収益の額は、「引渡しのあった日」の属する事業年度の益金の額に算入することとされています。具体的には、棚卸資産の種類・性質、契約内容等に応じて、合理的であると認められる収益認識日として法人が採用した基準により収益計上することとなります。

 調査の場面では、調査官は法人からのヒアリングを行い、受注から納品、請求、回収の流れの中で、実際にどのタイミングで収益を計上しているか確認していきます。

10年で年金受給権ができる
新たに64万人が年金受給

  年金の受給資格を得るのに必要な保険料の納付期間を25年から10年に短縮する改正年金機能強化法が成立しました。老齢基礎年金の納付期間は現在の25年から10年に短縮されました。平成29年8月から施行され10月に第1回目が支払われます。

 日本では「無年金者」(無年金見込者含む)は118万人と推計されています。65歳以上の無年金者の約6割は保険料納付期間が10年未満です。平成29年8月以降は25年の年金受給資格期間を充たさない無年金の高齢者も10年以上の加入期間(免除・猶予・カラ期間を含む)があれば保険料を納めた期間に応じた年金が支給されることになります。




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