経営者・経理総務担当者向け 実務月刊誌ビジネス支援 第219号 | ||||||
≪CONTENTS≫
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経理を必要悪として、帳簿付けだけで終わらせていませんか?経理を経営にもっと活用する方法があります。
財務基盤がしっかりしている黒字経営の会社は、営業・技術と並んで経理を第三の柱と考えています。経営陣が期首にしっかりした【経営計画】を立て、毎月正確な月次決算を行い、予想決算、予定・実績資金繰り等を見ながら経営をしていけば、赤字経営や資金ショートは起きません。経営とは計画を実行することです。
経営理念や経営方針というと大げさになります。経営理念とは、【自分の会社は何業か】を明確にし、経営方針とは、【その目的達成のためにどうして行くのか】をまとめたものです。
「経営理念などいらない、成り行きで経営していく。」という経営者もいらっしゃるでしょう。そうです。それがあなたの会社の経営理念なのです。あるいは「会社は金儲けの手段だ。儲かるなら何でもする。」といったことや、「親から引き継いだ会社だ。面白くないが、仕方なく経営している。」これらも経営理念です。経営理念がいい加減なために、ライブドアのような会社になったり、バブルの時、株・不動産等の投機に走り、代々続いた会社を倒産させたりするのです。ここに2つの建設会社があります。
片方の会社は、「わが社のモットーは快適な住空間を格安で提供する」とし、もう一つは、「代々の家業で職人的ないい仕事をしたい」と。結局前者の会社は、デザイン・日照・色彩・購入者のニーズ等多様な問題意識の発展の可能性を秘めていますが、後者はどうでしょうか。職人的気質で良いものをと言いますが、消費者のニーズ、時代との対応はとれているでしょうか。
問題意識の広さ、深さは、会社全体のスキルの向上や社員を活性化させます。これから企業は、毎日同じことの繰り返しではなく、顧客のニーズを引き出し、社員の脳を活性化させることが大いなる付加価値を生み出します。右向け右の社員がいくらたくさんいても、固定費たる人件費が増えるだけです。頭を使い、如何に顧客のニーズに答え、業務を合理化し、ムリ・ムダ・ムラを失くしていこうかと考える現場の社員こそ、その会社の大きな財産です。その第一歩こそ、経営理念、経営方針で、経営者が常に考える、何かする判断基準でなければなりません。初めは簡単なことでも構いません。自分の会社が社会から必要とされている理由から考えられてもいいでしょう。
● 経理・税務 |
スキャナ保存制度とは、日々の取引で発生する契約書や領収書といった紙の書類を「事前に所轄税務署長の承認を受けたときは、電子データに変換して保存することで、原始証憑の保存に代えることができる」というもので、電子帳簿保存法に規定されている国税関係書類の保存方法の1つです。 スキャナで読み取ってデジタル化したデータを一定の要件に従って保存していれば、紙の書類は処分することができます。
同制度は平成17年度の電子帳簿保存法の改正により適用が可能となった制度ですが、不正防止などの理由からスキャナ保存には様々な制約が課せられ、導入するにはハードルが非常に高いものでした。しかし、平成27年度、28年度と2年連続で法令改正が実施されたことにより要件が大幅に緩和され、使いやすい制度へと変化しています。
〜平成27年度改正〜
●対象となる国税関係書類の範囲拡充
国税関係書類のうち契約書や領収書(貸借対照表や損益計算書などの決算関係書類は除く)については、その記載金額が3万円未満のものに限りスキャナ保存の対象となっていましたが、金額に関わらず全ての契約書及び領収書等がスキャナ保存の対象となりました。
●電子署名の付与が不要
スキャナで読み取る際に必要とされていた入力者等の電子署名を不要とし、より簡易的な措置として、入力者等に関する情報を確認できることが要件とされました。
●適正事務処理要件が新たに追加
適正事務処理要件とは、国税関係書類の作成または受領からスキャナでの読み取りまでの各事務について、「相互けん制」、「定期検査」及び「再発防止」に掲げる事項に関する規程を定めるとともに、これに基づき当該各事務を処理することをいいます。(定期検査が完了すれば原本書類を廃棄できます。)
〜平成28年度改正〜
●スキャナ装置について、原稿台と一体型に限定する要件を廃止
従前の固定型のスキャナの他に、デジタルカメラやスマートフォン等による撮影が可能となりました。
●受領者が記録(スキャン)する際の手続き要件の見直し
デジタルカメラやスマートフォン等での撮影による記録の場合には、国税関係書類の受領後に受領者が当該書類に署名を行った上で、3日以内にタイムスタンプを付与することが必要となります。
●情報保存の見直し
国税関係書類がJIS規格A4以下の大きさの場合、国税関係書類の大きさに関する情報の保存を要しないことになりました。
●相互けん制要件及び定期検査要件の見直し
相互けん制要件については、デジタルカメラやスマートフォン等による撮影の場合には国税関係書類の受領者以外の者が記録事項(スキャンデータ)の確認(必要に応じて原本の提出を求めることを含む。)を行えば良いこととなります。
定期検査要件については、定期検査が完了するまで必要とされている国税関係書類の原本保存を、本店以外の各支店、事業所等でも行うことができます。
●小規模企業者の手続き要件緩和の特例
小規模企業者(常時使用する従業員数が5人以下(製造業等であれば20人以下)の小規模企業者)の場合、定期検査を顧問税理士等に依頼すれば、相互けん制要件を不要とすることができます。
● 経営・財務(1) |
最近のデータでも年間23万組のご夫婦が離婚されています。離婚は、今まで一緒に生計を立ててきた夫婦が別々に生活を始める為にどうしても、金銭問題とそれに伴う税金、年金の知識は避けては通れません。
離婚の際の金銭のやり取りは、通常「養育費」 「慰謝料」 「財産分与」等が一般的です。
●養育費
養育費の扶養控除を受けられるのは、子どもの親権を取得していて一緒に住んでいる場合です。再婚していれば再婚相手も扶養控除を受けられます。
養育費を支払っていても、子どもに関する控除を受けられないというのが、納得できないと感じる人も多いかもしれませんが、これが現在の法律となっています。
●慰謝料は損害賠償
慰謝料とは離婚原因を作った方が、相手方に支払う精神的肉体的損害に対する賠償です。ですから貰った方の収入になります。所得税法に心身に加えられた損害の賠償金は非課税となるので課税されません。
●財産分与は共有財産の分割
財産分与とは、夫婦の財産は2人で協力して築いてきた財産です。その財産を単に2人で分けることなので、原則贈与税はかかりません。
原則と言うのは、その財産分与が異常に過大であったり、この制度を利用して、贈与税や相続税を逃れる為の離婚であった場合は、贈与税が課税されます。
●金銭でない場合は要注意
財産を全て金銭(預金等)で持っている場合は少なく、財産と言われる物としては自宅の不動産等があると思われます。不動産で慰謝料や財産分与を支払った場合は、一度不動産を売却しそのお金で慰謝料や財産分与を支払ったと考え、支払った側に不動産の譲渡所得が発生します。
不動産が下落している場合は譲渡損となり譲渡所得は発生しませんが、不動産が値上がりしている場合や、相続や贈与で親から貰った場合は譲渡所得が発生し、所得税が課税されます。
● 経営・財務(2) |
失敗する典型は「褒めている事柄が具体的でなく、抽象的で曖昧である」場合で、褒められている側から「口先だけだ。褒められた気がしない」、最悪の場合「上司の人気とりなど、何か裏があるのではないか」と受け取られることがあり、相手の心を動かす内発的動機付けにはつながりません。
これとは対照的に、成功するケースの典型は「褒めている具体的な行動が明確に指摘され、それがどのように役立ったのか表現されて、感謝やねぎらいの言葉をかけられる」と言った場合で、相手の感動を呼び、内発的、積極的な行動を引き出すことに繋がります。
株主総会議事録を偽造して、役員になりすまして役員変更登記をしたり、本人承諾のない取締役就任登記をしたりして、会社財産を処分するなど、法人登記を悪用した犯罪や違法行為が後を絶たないようです。
それで、本年10月1日からの法人登記に際しては、「株主リスト」の添付が要求されるようになりました。
株式会社・投資法人・特定目的会社の登記の申請では、
(1) 登記すべき事項につき株主全員の同意(種類株主全員の同意)を要する場合
(2) 登記すべき事項につき株主総会の決議(種類株主総会の決議)を要する場合
には、株主リスト提出が要件とされました。株主総会決議を省略する場合にも株主リストの添付は必要です。
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