● 今月の特集
I.領収書・レシートの整理・整頓の疑問 1.領収書はすべて必要か、レシートではダメか 【ポイント】 ■領収書の代わりにレシートでも良い ■領収書は品代としてはいけない ■個人のカードで支払った場合は、カード明細書を保管する 会社の経費にする為には領収書が必要だということはご存知と思います。しかし、一つ一つ手書きの領収書をもらうことは大変な手間です。レシートではダメでしょうか。いえ、レシートでも全くかまいません。(1)支払日(2)支払先(3)支払金額が分かれば、領収書の代わりになります。しかし、3万円以上であればレシートに印紙を貼ってもらいましょう。レシートの方が細かく品物や単価、人数等が記載されているケースが多くかえって支払内容が分かりやすい場合が多いのです。 むしろ領収書に品代として記載してもらうことはやめてください。これだと何を買ったか分からず、消費税の課税仕入かどうか証明できず、消費税の計算上、会社に不利になる可能性があります。また、平成18年度の税制改正で「飲食代1人5,000円未満であれば、交際費課税をしない」となりましたが、領収書には誰と飲食したのかを忘れずに記入しておきましょう。また領収書の宛名が【上様】となっている場合、税務調査官の中には、経費と認めないとする事例もあります。必ず会社名を記載してもらいましょう。 面倒くさい、領収書を失くした等々といった経営者をよく見ますが、一番簡単な解決策は法人カードをつくり、法人カードで支払うことです。ガソリン代・高速代・切符・飛行機代・宿泊費・飲食・本・電話等あらゆるものがカード決済可能となっています。ポイントも溜まり、明細書が毎月詳細に記載され、支払も15日〜30日後で、金利も付かず、資金繰りも有利です。カードには飛行機等の損害保険も付いていて経費削減にもなります。 個人のカードを使っても会社の経費として使ったものであればもちろん会社の経費になります。また領収書やレシートは、青色申告の場合、7年間保存する必要があります。 2.電車代等の領収書がない場合は 【ポイント】 ■電車、バス代はプリペイドカードが便利 ■カードは使用した分だけしか経費にならない ■交通費精算書があれば領収書なしでもOK 領収書がもらえない交通費はカードが便利です。現金支払の場合は、交通費精算書が必要です。 電車代やバス代のように領収書がもらえない経費があります。その場合、カードであれば交通経路も記載されているので、買った時の領収書もあり便利です。しかしこの場合、カード購入しただけでは経費になりません。例として、100万円のカードを期末に買っても使用した分しか経費になりません。この場合の仕訳は、貯蔵品100万円/現預金100万円となります。 現金で切符を買った場合は、交通費精算書や出金伝票を作成する必要があります。 「それならデタラメに書いてもいいのでは」という人もいそうですが、事実を書いていないとつじつまが合わなくなりますし、税金を少し得することとは逆に社員の交通費不正取得の方が多くなる心配があります。脱税思考の経営者には横領思考の社員が集まります。 交通費精算書 【出金伝票】
※その他領収書がもらえない場合は 取引先と飲食し、割り勘で支払った場合、領収書を別々にしてくださいとは言いづらいと思います。こんな場合は、出金伝票に、いつ・どこで・だれと飲んで・いくら支払ったかをメモ書きすればかまいません。これを悪用しても、度々あることではありませんが、あまり多く多額となれば反面調査されます。 得意先の冠婚葬祭も領収書をもらえませんが、これは招待状や礼状等を保管してあればOKです。しかし、これを経理が悪用して横領したことがありました。チェックを忘れずにしてください。 また、給与の現金支払は原則としてやめて、振込みにしましょう。 《理由》 (1)余計な手間【数える、袋詰め作業】がかかる。 (2)税務署に架空人件費と疑われる。 3.税務署は何が必要か ―原始証憑の保存義務― 【ポイント】 ■青色申告の場合、資料は7年間保存義務あり ■領収書・請求書等の原始資料は税務署に提出する必要なし ■税務調査があった場合は即座に見せられるようにしておく ☆青色申告を取り消されたら会社は大きな損害。資料は青色申告の絶対義務。 領収書等の原始資料は税務署に提出する必要はありません。しかし、青色申告の場合は要件として、帳簿や請求書、領収書等を7年間保存することになっています。この7年間は、申告期限(決算期末から2ヶ月後)から数えます。例えば、平成18年3月の決算の帳簿は、平成25年5月末まで保存する必要があります。 領収書等の原始資料は税務調査があった場合、調査官にすぐ見せられる状態にして保存しておかなければなりません。資料は年・月ごとに分かりやすく保存しておいた方が便利です。調査は総勘定元帳を見ながら、多額で、不審な取引について、原始資料との照合が主です。即座に資料を提出すれば、不審箇所がなくなり、調査の能率があがるため、早く終了します。中には、「うちは去年調査があったからその前のものはもういらない」「赤字続きで調査は来ない」等々で捨てる会社があります。こんなことをしては大変なことになります。最悪の場合は青色申告が取り消されます。 また、青色申告の特典は多くあります。 (1)青色欠損金の7年間の繰越 (2)各種特別償却、税額控除 (3)30万円未満の減価償却資産の損金算入 この中でも(1)の青色申告の7年間の繰越は会社の存亡に影響します。 当期1,000万円の赤字が出たら7年間1,000万円の範囲なら法人税等がかからないのです。青色申告を取り消された場合、1,000万円×40%として400万円も税金が増えるのです。 4.会社の締め日の上手な決め方は? 【ポイント】 ■給料や支払の締めと支払は会社で決める ■支払は入金のタイミングを良く考える ■手形はもらわない、使わないのが原則 ☆月末にお金がたくさんあるように支払日を決める 給料や経費の締め日と支払日はどのように決めたらよいのか これは原則として会社の自由です。ただし、仕入先等との契約で締め日や支払日を決めたらそれに従うことになります。少しでも決算書を良く見せようと思えば、期末にお金が多くあるように見せる必要があります。給料は通常【15日締めの25日払い】の会社が多いようですが、月末に現金残高を多くしたいのであれば、【25日締めか月末締めの5日か10日支払】にするのも一案です。現金支払ではなく給与振込であれば、締め日から支払日まで10日間くらいが必要ではないでしょうか。 次に仕入や支払は通常月末締めの翌月末が一般的なようですが、月末締めの翌々月の5日払いにすると月末現金・預金が増加し、金融機関の格付・評価が良くなり、金利等が優遇されます。逆に売掛金の回収は1日も早い方が会社の資金繰り・財務内容が良くなります。入金があったら支払うことを原則にしてください。中には売掛金額を手形で支払う会社もあります。一般的には卸業では手形が多いですが、できれば手形を受け取ることは避けたいものです。商売ですから現実には難しいことも多いでしょうが、まずこちらの希望として手形取引を避けたいことを話してみてはいかがでしよう。場合によっては、思い切って手形支払の会社は取引を断る勇気が必要ではないでしょうか。原理的には手形取引がなければ倒産しません。当然給与や仕入代金を支払わないと労務倒産やモノが手に入らないことがありますが、手形不渡り〜銀行取引停止とはなりません。 II.売上や経費の疑問について 1.会社の経費になるものの範囲は 【ポイント】 ■会社で使った費用は、原則としてすべて経費となる ■税金は結果。節税を考えるより売上、利益を確保することを第一に考える ■給料・家賃等のように売上0円でも発生する固定費はできるだけ低く押さえよう 会社の経営者の素朴な疑問に、「会社の経費はどこまで認められるのか」ということがあります。答えは「原則として仕事で使ったお金はすべて会社の経費になる」です。 つまり、経営者の報酬・給料・社会保険料・通勤費・家賃・事務用品費・水道・電気・ガス・電話代・交通費・打ち合わせのための食事代・接待の飲食代・ゴルフ代・本代等仕事のために使ったお金の全部が経費になります。何でも経費というと勘違いされた経営者は税金を納めたくなく、経費を湯水のように使って倒産してしまったという笑えない話があります。会社は利益を出さなければ潰れてしまいます。あくまで税金は結果です。売上を上げ、利益を出し、税理士と相談され、まずお金のかからない節税対策を考えてください。 経費のうちで特に注意したいのは、原価と固定経費です。売上に直接対応する原価(原価÷売上=原価率)を常に一定に保ち、同業他社と比較して、1%でも引き下げていく努力をしてください。 また、毎月売上0円でも発生する経費・家賃・給料等は特に注意してください。自分や家族の給料は業績が悪くなればすぐ引き下げることはできますが、社員の給料はそうはいきません。仕事が増えていけば社員を増やしたいと思うでしょうが、できるだけパート・人材派遣・外注費等で対応し、正社員を増やさないことです。正社員を解雇することは容易ではありません。また、無理な解雇は会社全体の雰囲気を悪化させ残った社員の気力をそぐことにもなりかねません。会社は見栄ではなく、社員が精神的にも物理的にも清潔で明るく、楽しく働くことが、会社の利益を出す大切なポイントの1つです。 2.自宅で仕事をする場合は 【ポイント】 ■自宅兼事務所・店舗等であれば、事務所・店舗部分は会社の経費になる ■経費割合は計算根拠を作成する 経費を考える前に売上と利益を考えることは原則です。今まで個人の給料の中から支払っていた部分が会社負担になることはありがたい。 自宅の一部を会社の事務所等として使用すれば、一定金額は会社の経費になります。自宅を毎月20万円で借り、一部の50%を事務所として使用していれば、20万円の50%で毎月10万円は、会社の地代家賃として処理できます。結果として10万円役員報酬が増加したことになり、所得税も安くなりますので丸まる手取りが増えます。この場合、一定の覚書を会社と役員の間で作っておく必要があります。 3.借り上げ社宅の取り扱いは 【ポイント】 ■自宅の社宅化は大きな節税効果を生む ■役員社宅費は税務上の計算式がある 業績が順調に推移し、自宅とは別に事務所を構えたら、自宅を会社に借りてもらい、社長は借り上げ社宅に入る形にすると節税になります。 先のケースでは、会社から大家さんに20万円支払、会社の社長は会社に社宅利用費を支払います。 社長の支払社宅利用費は、計算方法が税法で定められています。小規模社宅【床面積がマンション等の鉄骨は99平方メートル 一戸建て木造の場合は、132平方メートル以下】は、その年度家屋の固定資産評価×0.2%+12円×坪数+敷地の固定資産評価×0.22% 以上であればよく、通常家賃の20%程度ですみます。このケ−スでは社長が会社に支払う社宅利用費は4万円程度でよく、差引16万円が会社の経費となり、社長が自分の給料 から支払うことに比べて税金が安くなります。 分かりやすくするために実際の数字を入れて事例を検討してみると、 《社宅にする前》 法人 役員報酬 月50万円 税金 所得税 33,670円 《社宅にした後》 役員報酬 34万円(16万円減額) 所得税 17,540円 実質賃借料 16万円 法人税変わらず 年間193,560円税金減額 その他 社会保険料も約月29,874円 年間358,488円減額 実態的に何も変わらないのに、社長の所得税、社会保険料合計が年間552,048円減額されます。 4.自宅購入は別会社、倒産しても自宅は守れる 【ポイント】 ■会社所有社宅は減価償却費、支払利息は経費になる ■会社購入の場合、住宅ローンのような35年はなく、10年〜15年の返済になる ■会社購入を別会社【配偶者代表】ですると会社倒産の場合も自宅を保全できる ☆社長の自宅を会社で購入し、社宅にすれば更に大きな節税対策になる。 配偶者をプチカンパニーの代表者にして、マンション・戸建て住宅を購入し、経営者用の社宅にすると、(1)社宅のローン金利、建物の減価償却費は会社の経費になり、法人税負担が減ります。(2)経営者の報酬を減額でき、【住宅購入ローン減少、賃貸料減額のため】所得税、社会保険料負担が減額になります。(3)万が一会社が倒産しても、配偶者が本体会社の連帯保証人になっていなければ、配偶者社長の資産に法的な追求はなく、実質的に経営者の自宅は確保できます。 この場合、次のような条件を付け、第三者や経営者本体の利害関係者に法的追求を受けない配慮が必要です。詳細は顧問税理士・弁護士に確認されることをお勧めします。 (1)配偶者の会社と経営者の会社は債務保証を相互にしない。 (2)役員関係、資本関係なし。 (3)配偶者の会社の資本は原則として配偶者全額出資(第三者の自宅関与をさせないため)。 詳細は、今月号の「経営・財務」をご参照ください。
I.保証協会も格付開始〜変化する金融機関のルール 中小企業にはなじみの深い保証協会が、平成18年4月よりこれまでの一律1.35%の保証料を、決算書等の格付評価によって0.5%〜2.2%の9段階へ会社の実情に応じて変動させると発表しました。多くの金融機関では、ビジネスローンと称して、中小企業チェックリスト等の活用による決算書融資が行われてきましたが、今回のように公的機関が決算書の評価によって調達金利が変わってくる時代となりました。このように中小企業を取り巻く経営・金融環境は大きく変わろうとしています。最大のポイントは、これまで担保至上主義をとっていた金融機関の融資姿勢が、経営状態の各種審査に基づく選別融資に変化したことです。対策として、貴社の決算書を同業他社と比較して強み・弱みをしっかり経営者に理解していただき、同時に、経理・納税の重要性を認識していただくことです。経理がしっかりしていないと正しい分析ができず、決算書が汚れてしまいます。また、納税をしっかりして自己資本の充実に努めることが銀行への強いアピール、信用獲得になることを経営者に理解してもらいましょう。 II.金融機関別取引状況の分析 すべての中小企業の資金調達は以下の構造です。この基本構造をよく理解しましょう。また、貴社の借入金を下記の4分解にして整理しましょう。
3)不動産・定期預金等の担保付き融資 4)その他 次にそれぞれの融資枠・特徴を知っておきましょう。 1)公的資金 ■国民生活金融公庫 国民生活金融公庫のお金は国の資金です。銀行が一切関知しないので、余計な付き合いでの定期預金や給与振込み等も関係ありません。無担保融資は支店段階では、1,500万円程度あり、企業の業績等で2,000万円まで融資枠が広がる可能性があります。新規開業では、300万円〜800万円程度の融資が受けられます。 ■保証協会付き融資 全国都道府県にある各保証協会が信用力に欠ける中小企業の融資に寄与するための公的保証制度です。 保証融資とは、銀行が中小企業に融資する場合、返済不能となった時に肩代わりするものです。注意点は、お金は銀行から出て、都道府県は万が一の場合に、企業に代わって返済してくれるということ。無担保枠として5,000万円程度ですが、月商の3倍程度という枠も設けられています。しかし、新規開業や設備資金等では弾力的な扱いもあります。もちろん担保付きもありますが、ここでは無担保扱いをまず確保することです。 また、返済に問題(遅延等)がない場合は、資金の必要性に応じて一定の枠内であれば再度保証してくれる融資です。いわゆる折り返し融資。もちろん銀行にもリスクがあり、焦げ付いた場合に9割しか保証協会が保証しないということでしたが、近年の銀行の貸し渋り対策として現在は全額保証しているとのことです。 2)プロパー無担保融資(各種ビジネスローン等) これは、一切の保証なしに銀行が企業の信用力で貸し付けるもので、業績の良い企業に最近増加しています。銀行によって名称が色々違いますが、決算書診断・迅速審査等、また日本税理士連合会の中小企業チェックリスト提出による優遇融資もあります。決算内容によって5,000万円〜1億円、3年〜7年、金利も2%〜9%台と決算書の内容によって大きく変わってくるようです。また半年の賞与資金にこのプロパー融資は多く見られます。 3)不動産・定期預金等の担保付き融資 一般的には銀行で最も多い融資パターンでしたが、ここ15年の資産デフレですっかり変わってしまいました。定期預金はまだしも、不動産担保の場合、価値の目減りは著しく、追加担保要求や上記保証協会融資の枠で埋めようとしたり、銀行の貸し剥し、貸し渋りが最も激しい融資といえます。 4)その他 新しい融資商品が登場しつつあります。(売掛債権担保等) 【例】借入金分解表
III.経理の仕事 金融機関別取引状況分析表の作成 <銀行別に借入金状況の整理をします> 元金・借入金利・担保等の有無・定期性預金等を整理し、金融機関別預貸率を調査し、特に公的資金とプロパー・担保付き融資とを整理して、貴社の金融余力を調査する必要があります。 【2】−【1】=担保余力【円】 IV.金融機関の格付方法 各金融機関によって詳細は異なりますが、大局的には変わらないと思われます。ここでは中小企業向け融資の多い、信用金庫の格付評価を紹介し、その見方について検証してみましょう。
格付項目は以下の10項目です。 (1)売上高増加率 … 【当期売上高/前期売上高】−100% (2)経常利益額 … 経常利益額 (3)売上高 … 売上高 (4)売上高経常利益率 … 経常利益/売上高×100 (5)総資本経常利益率 … 経常利益/総資本×100 (6)金融余力 … 当期利益+減価償却費 (7)インタレスト・カバレッジ・レシオ … (営業利益+受取利息)/支払利息 (8)自己資本比率 … 自己資本/総資本 (9)償還返済年数 … 長期借入金+短期借入金/金融余力 (10)正味資産倍率 … 自己資本/1ヶ月あたり売上高 (6)の【金融余力】は、会社が設備投資などで資金調達する場合、どの程度の余力があるか金額で示します。この金額が大きければ担保力があることを意味しています。 (9)の【償還返済年数】は、金融機関からの長短借入金を金融余力で何年返済可能かを数値化したものであり、金融機関によってはこの数値が15年を超えたら融資をストップする等重視されています。 その他定型項目として以下の5項目があります。 (1)業歴 (2)経営者・経営方針 (3)経常利益動向 (4)資産力 (5)市場動向 100点満点で、「25点〜15点は要注意先」「15点〜5点で要管理先」「4点以下で破綻懸念先」ということになります。全体的に見て、地元に密着した地域金融機関の特質をよく表した格付の方法です。もとより、この格付が絶対的なものではなく、決算書外の個人資産の多寡や過去の経歴、風評及び税歴、税金滞納等、様々な角度から格付がなされており、あくまで参考として活用してください。
中小企業の経営者の100%は会社債務の連帯保証人となっています(筆者の知る限り何らかの連帯保証債務をしていない経営者は皆無である)。そのため、会社の倒産は即自宅の競売につながります。60歳以上の高齢者で会社が倒産し、自宅を追われ、アパートの入居も断られ、ホームレスにもなりかねない経営者が増加しています。そこで、経営者の自宅を保全し、節税対策も図れる方法を提案します。 これは経営者の身内で連帯債務者になっていない人を代表者にして法人を設立し、その子会社に経営者のすでに所有している自宅を売却するか、新たに自宅を購入して、親会社がその子会社から社長の社宅として賃貸する方法です。たとえ親会社が破産し、社長が連帯債務者として破産しても、子会社は親会社とは何の法的関係もなく、一切負債がのしかかってくることもなく、結果として経営者の住む家は確保できます。 ※経営者の資産保全、節税対策の手順
【注意】
《親会社》 子会社より社宅として賃貸する。親会社は、子会社に相場の賃貸料を支払い、経営者に社宅として貸し出す。貸す賃貸料は左記の計算式で行う。市場より相当低額となり、経営者の支払っていた住宅ローン分が無くなるため、役員報酬の大幅な減額可能となり、その結果経営者の手取りは変わらず、所得税・住民税、社会保険料が大幅に減額され、会社負担の社会保険も減額となる。 《子会社》 代表者は一切の連帯保証をしていない家族で設立する。新会社法では簡単に設立できるようになる。 【社宅を購入】 (イ)新規に物件を購入するケース 購入物件の減価償却費、借入資金の金利、火災保険、諸設備等の経費化が出来る。 【注意】 借入期間が最大15年間 資金繰りを検討
(ロ)すでに経営者の個人の自宅を持っているケース 自宅を経営者から子会社が時価で購入する。所得税の住宅ローン控除を受け終わる(購入年度により15年〜5年の違い有り)頃には節税効果がある。 【注意】 銀行の担保付け替えが必要
※役員社宅の賃料算定基準 国税庁は基準を定めています。税務上での役員社宅は3種類に分類され、それぞれ社宅賃料算定方法が違います。 (1)狭い役員社宅 木造なら建物132平方メートル、鉄筋なら99平方メートル(共用部分を含んで)以下なら(1)該当です。この場合は次の3つの合計が月額賃料です。 (a)建物固資税課税標準×0.2% (b)土地固資税課税標準×0.22% (c)建物坪当たり12円 建物132平方メートル1,000万円・土地1,000万円(東京都区部の一般的な戸建住宅のイメージ)ならば(a)(b)(c)合計で4万円強です。なお借上社宅でも同じ計算になります。 なお土地は固定資産税評価額から住宅用軽減として6分の1等への減額をした後の金額が固定資産税課税標準額になります。 (2)広い役員社宅 面積が(1)を越えると(2)になり、次の2つの合計になります。 (a)建物固資税課税標準×1% (b)土地固資税課税標準×0.5% (a)の1%は木造等の場合で、鉄筋等ならば0.833%になります。 建物2,000万円・土地1,000万円ならば(a)(b)合計で月25万円です。 借上社宅の場合には更に会社支払賃料の50%以上でなくてはいけません。この社宅を会社が60万円で借りているのならば(a)(b)合計額が25万円であっても30万円にする必要があります。
※従業員社宅の家賃は半額 役員ではなく、従業員の場合には面積にかかわらず、上記の(1)の家賃の半額以上の社宅賃料とすれば問題ありません。 【事例検討】
※更に節税効果があります。
全体から見て、経営者の自宅・資産が保全でき、大きな節税対策が可能です。ぜひ専門の顧問税理士にご相談ください。 |
Copyright(C) PROFIT CORPORATION 2006, All rights reserved. Copyright SEIKO EPSON CORPORATION 2006, All rights reserved. |