会計事務所NEWS No.77


会計事務所の顧客拡大戦略を考える

◆営業ツ−ルとして「情報発信」に心がける◆
◆価格よりも情報発信力、問題解決力、ネットワーク力◆


 開業20年のA事務所の顧客拡大戦略は、「営業しない営業」です。

 奇異に聞こえるかも知れませんが、A税理士は開業以来一度も世に営業と言われる類いのことはしたことがないそうです。

 営業から連想する一般的イメ−ジは、誰かに「お客さんを紹介してください。」の類いです。

 A税理士の話では、医者は人間の体を診断し、病気を発見し、処方箋を書き、患者を治療する。それと同じように、税理士も、個人や会社の経営を診断し、問題点を発見し、解決策を提案し、会社の立て直しを図る。と考えれば、医者の営業を参考にできないか、と思ったそうです。

 病院や診療所は「お客を紹介してくれ。うちの病院は値段が安い」とは言いません。

 お医者さんの世界では、「お客を紹介してくれ」という先生はヤブ医者だと思われ、値段が安いと腕が悪いと思われるそうです。では、顧客拡大の鍵は何か?それはずばり「評判・信頼」です。

 繁盛している病院は親切・腕かいい、勉強しているという口コミの評判が一番多くあるそうです。

 A税理士の事務所では、さまざまな機会で名刺交換した顧客の取引先、友人、士業の先生、保険・金融機関等々に経営者・経理総務担当者向け月刊誌「CLUE」を送付し続けています。

 A4版の事務所便りをセットして毎月欠かさず情報発信し、セミナ−等の案内だけで顧客が増加しているそうです。先生にその理由を聞いてみると

(1) 経理・税金・経営・総務の小冊子を送ることによって
勉強している事務所という認識が送付者に伝わる。

(2) 士業は勉強している、最新の知識を有していると思われることが大切。

(3) 現在の税理士と税務調査の対応や節税対策、経営相談等で不満を持てば
「そういえば毎月小冊子を送付してくれているA先生がいたな」と思いだしてくれる。

(4) たった月1冊100円程度の費用で、値段で選ばない顧客を開拓できる。

 信じられないかも知れませんが、顧客のほとんどが税理士を比較して選んでいないため、税理士の腕のいい・悪いが判断できる環境ではないのです。

 しかし、税務調査の対応や同業者の集まり等で、サ−ビスの質や値段を知る機会があり判断のきっかけが多くあるのも事実です。毎月、最新の情報発信を継続的に続けていくことが肝要だとA先生は仰っています。事例として、保険会社のセミナ−で同席し、月刊誌をお送りしていた経営者から4年後、相談に乗って欲しいという依頼がありました。また、昔お世話になった経営者から「税務調査でひどいめに逢った。税理士を変えたいので顧問になって欲しい。」等の話が、15年後にもあったという話も伺いました。

 「評判」「口コミ」「信頼」「継続」「情報発信」「勉強」「提案力」「最新知識」等のキ−ワ−ドが大切だということを思い知ったそうです。


 経営者・経理総務担当者向け月刊誌「CLUE」と事務所便りで「営業をしない営業」を試みられてはいかがでしょうか。


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