会計事務所NEWS No.33


経営会議入門セミナー「激戦区 関西地区での成功事例をご紹介します」報告
・・・石田秀明先生を講師に招いて


9月9日(火)税理士石田秀明先生(大阪府)をお迎えして、短時間でわかる「経営会議入門セミナー」が当社セミナー室で開催されました。石田先生は新たなビジネスを立ち上げるために海外に出張されており、9月9日の本セミナーのため、直接成田空港から立ち寄っていただき、終了後、再度海外に出張に行かれました。

石田先生のセミナーで印象に残ったことは、「プロとしての税理士」「ビジネスとして会計事務所を考える」「過去に支払うお金はリスク、未来に支払うお金は投資」「お客に貢献し、会計事務所が儲かるビジネスモデル」等々でした。

石田先生は、激戦区の関西で12年前に開業され、新規顧客獲得の嵐に巻き込まれ、再度新しく事務所を作り直した経験からお話くださいました。記帳代行のダンピング合戦が今も盛んですが、石田先生は、「記帳代行は専門家としての税理士の仕事ではない」と言われました。折角、難関な資格を取り、勉強された税理士の先生方が、簿記3級程度の人が出来る記帳代行に血眼になっているのか。無論、顧客があれば、記帳代行は儲かる商売かもしれません。10年も、20年も前から「記帳代行の危機」が叫ばれても結局何も関わっておらず、じり貧なのが会計事務所業界の現在の姿ではないか。20年も前から「これからは、MAS業務」と言っても、お客の目を引く道具にすぎず、結局何も変わっていないの ではないでしょうか。

これまでの会計は、過去・現在・未来の区分で言えば、過去と現在を1ヶ月遅れで報告する仕事でした。

「経営会議のすばらしさ」は、社長が考えた、未来の姿=数値化したものが経営計画を過去と現在とをつなげ、その達成度を毎月見ていくシステムです。経営会議システムに社長がお金を支払って頂くのは、未来に支払っていく「投資」です。「投資」として会計事務所に支払って頂くお金は、「成果となって会計事務所」から帰ってきます。と言って社長さんたちに納得してもらっているとのことでした。

次に、会計事務所を経営の視点で取り上げれば、「お客さんの関心、ニーズは何か」を考えることが出発点ではないでしょうか。例えば、顧客が銀行でお金を借りたことを後で知ったことはありませんか。その顧客は会計事務所が銀行融資や資金繰りの相談にのって頂けるとは思わなかったのです。

会計事務所のビジネスを図解すれば、

  ローリターン ハイリターン
顧客と社会に貢献しない(注1) 倒産・廃業残務整理 旧来の記帳代行(注4)
顧客と社会に貢献する(注2) 旧来のMAS業務(注3) 新しいMAS業務「経営会議システム」

 (注1) 顧客の過去の経営データを整理することなので、そのデータ自体を変えることができない。つまり、顧客行動のPlan-Do-SeeのSeeからしか参加できない。

 (注2) 顧客の未来行動に対するアドバイザリー業務だとアドバイスの如何によって、顧客の未来行動に変革をもたらすことができる。つまり、Plan-Do-Seeの全てに関わる。

 (注3) コンサルテーションは、システム化が難しく、コンサルタントの人となりや能力に依存しがちで、会計事務所組織のシステム化・業務のスタンダード化が困難。

 (注4) 記帳代行のニーズが多く会計システムのアプリケーションがポピュラーになる以前である一昔前は、会計事務所で顧客担当者を決め、ルーチンワーク型の会計事務所業務フローを構築しやすく、利益が見込めた時代であった。

これまで、記帳代行は顧客に貢献はしないが、儲かる会計事務所のビジネスモデルでした。しかし、激戦区の関西では、価格の下落が激しく、今後儲かる仕事ではあり得ません。これからの会計事務所の進むべき道は、「顧客に貢献し、儲かる仕事としてのMAS業務」を開発することだと思います。

顧客に貢献する仕事とは顧客のニーズに応えることです。その為には、顧門先の社長と話すことです。色々なことを聞き出すことです。ここでは、コーチングのノウハウが必要です。社長の潜在能力を引き出す、社長に色々考えてもらう。これが大事なのです。「人は考えることによって成長します。顧客の社長にもっともっと考えてもらう」この最適なシステムが私は「経営会議システム」だと思っています。

経営会議の効果で私が一番いいと思うのは、「本音で言ってもらう。陰口を言わない。会議の場でちゃんと言ってもらう」ことだと思います。陰口では誰も成長しません。人と人とのコミュニュケーションが会社を活性化させ、人を成長させると思うからです。

次に言いたいのは、顧客に訪問して単純なチェックをする時間と経済的リスクが見合っているかということです。大阪はお金が厳しい、シビアです。そこで経営会議導入企業には、会計参与をさせていただいて、会計参与報酬を頂いています。経営会議を実施していますと、非常に経営がしっかりしていきますので、会計参与のリスクは減少するから安心して引き受けられるからです。

最後に導入のコツですが、まず自分の会計事務所の信者さんから導入することです。

最初は色々慣れないことでまごついても、信者さんの顧客では少々多めに見ていただけるからです。慣れてきてから、決算対策会議実施会社から「経営会議」を始められてはいかがでしょうか。

その他、多くの質疑応答、有意義なお話を頂き、参加者から感動しましたという発言も見られました。平成21年度も関西・東京で石田先生のセミナーを準備しております。

参加者の先生方、石田先生の今後のご活躍を祈願し、報告に代えたいと思います。


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