経営会議事例集 平成28年2月


経営会議のアドバイス事例報告


まず同業他社の成功事例、動向調査が必要です。どのような業種であれ、勝ち組、負け組に分解しているだけです。同業他社との比較により、自社のビジネスモデルを検証することから経営改善は始まります。

1.三大経費まずしっかり管理する

どのような業種でも共通しますが、経営会議で最初に管理すべきは、経費のうち金額が多い上位3つか4つの経費の管理です。飲食業であれば、原価・人件費・家賃・広告費等です。また、細かい経費に目をやるのではなく、大きく3つか4つぐらいの経費の削減にまず手をつけることです。飲食業の場合、仕入原価・人件費・家賃の3大経費が75%に収まることが損益分岐点と言われています。原価30%、人件費35%、家賃10%を目標にされている経営者も多いのではないでしょうか。飲食業界内でも場合によって異なり、高級店では、価格が高く仕入原価は低いですが板前の人件費が高い傾向があり、低価格の店は、価格が低く原価率が高いがその分人件費が安い等、3大経費の構成比率は変わっても、トータル75%以内に収まっていなければ黒字経営になりません。

ここで貴社の三大経費の推移の年度を追って見られてはいかがでしょう。多くの会社がそうであるように、この20年バブルもあり、大きな時代の転換期でもあった訳ですが、自分の会社をこのような視点から分析すれば違った見方もできるのではないでしょうか。

(1)原価率の見直し、コストダウンを図る

経営会議では、原価のコストダウンは調査から始まります。

1.売上の目算違いで商品のムダな廃棄をしていないか。
2.賄い料理に高い食材が使用されていないか。
3.商品の横流し等の不正はないか。
4.同業他社と比べて、原価率が適正か。
5.仕入調達先の合い見積もりを取っているか。安く手に入る方法の模索。
6.売価が適正か。
等々の検討がなされています。

(2)人件費のコントロールをする

人件費が適正かどうか、生産性の調査がまず必要です。売上総利益を社員数で割ってみることです。売上総利益8,000万円の会社では、社員{常勤役員を含め}が8人以下であれば、優秀な会社と言えます。1人1,000万円の売上総利益があれば、平均給与500万円前後が可能です。

しかし、10人以上であれば、1人800万円以下の売上総利益しかなく、平均給与も400万円程度となり、ギリギリの状態ではないでしょうか。もちろん業種や業態、社員の年齢構成、社長の給与水準、男女比との兼ね合いも考慮して判断する必要がありますが、自社の客観的水準を1人あたりいくらの売上総利益があるのかを常に知っておくことは重要です。

また、人件費を変動費化することは重要です。つまりお客さんや仕事の多い時に人を多く配置し、少ない時に必要人数しかおかないという人事配置が必要です。これには過去のデータを取り、分析することです。まず月ごとの売上推移・曜日ごとの売上推移・イベント等の売上変動をつかみ、それに応じてアルバイト・パートを適正に配置することです。そんな都合のいいアルバイトやパートはいないとおっしゃる経営者もいます。しかし、低い時給で長時間勤務よりも、必要な時だけ短時間勤務で時給を高くした方が、より従業員が集まります。

また、経理や総務・業務等で季節変動のある場合、少し高くても、人材派遣を活用することも人件費を変動費化するコツです。営業日報にアルバイト・パートの1時間あたりの売上を記載し、時間売上を算出しておき、ムダな人件費をなくす努力が必要です。

(3)地代家賃の管理

昔から1ヶ月の家賃は3日分の売上が適正と言われていますが、売上の約9%〜10%が丁度これにあたります。月家賃20万円の店舗であれば、月売上最低200万円が必要となります。家賃の10倍を稼げるかどうかが、新規出店の目安となるようです。

広告宣伝費も最近は大きい経費となっています。いくら位広告にお金をかけていいのかと聞かれることが多いですが、まず同業他社の実態をよく調査することです。おおむね売上の2%以内が広告宣伝費の限度といわれています。


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