改めて知る、経営会議の必要性
大阪に親会社がある、筆者が顧問をしている東京の子会社の会長さんから「緊急に会って欲しい」との電話がありました。早速お会いしたのですが、結論から言うと直近の資金繰りが厳しいとのことでした。 売上が前年比で6割の水準まで下がり、月次の赤字が4,000万円で、10ヶ月経過して約5億円の赤字という状態で、あれよあれよという間に手が付けられなくなったとのことでした。 前年度は会社設立以来の黒字決算にも関わらず、この大幅な赤字。 世界同時不況の進行スピードが早く、100億円から20億円程度の中規模企業の経営悪化が急激に来ていることが立証された形となっています。バブル崩壊は、投機の失敗ですが、今回の世界同時不況は実態経済の打撃であるだけに、回復の時期、処方箋のないのがより困難をもたらしています。 今回の経営、資金繰り相談の教訓としては 【1】判断が遅い 経営のバケツに穴が空いている状態であったのに何の手も打っていない。 月次予算と実績対比、経過月実績+未経過月予算から予想決算、予想実績資金繰り表を見ながら経営していれば、もう少し早く経営上の危険信号に気がついたのではないか。 【2】修正予算、早めの事業再構築 経営環境の激減を予算実績対比や予想決算で先行管理していれば、予算の修正や、人件費や投資の見直しに手が付けられたのではないか。 今回の不況を一過性のものと考えたり、春になれば良くなると思ったのでは、手を打つのが遅い。 中企業ほど資金調達金額が大きく、金融機関との事前確認が必要とされる。 なまじ業績が良かった企業ほど、金融機関との関係が高飛車であったこともあり、業績の悪化、信用不安により、一気に信用失墜、資金調達になってしまう可能性がある。
しかし、毎月定例日に経営会議や役員会を行い、予算と前期と実績を比較して、業績推移を先読むことをしていれば、こんなに時間遅れが発生しなかったと言える。経営会議を実施されている企業の多くは、12月を超え、1月に至る段階で予算の修正をされ、厳しい経営の見通しのもとに、経営改善をされていた。 上記をふまえて、定期的な診断で早期発見できる病気と同じように、毎月の経営数値を見ていれば、早期に何かの異常に気づくことができるのです。 金融機関にお金を貸せないと言われて慌てて対策を考えるときは大抵手遅れなのです。 |
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