経営会議事例集 平成26年9月


決算によって利益を操作することは可能?


決算によって利益を操作することは可能ですか?
その場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか。


I. 企業会計においては、必ず守らなければならない規則と企業の任意に委ねられている項目とがあり、企業の処理できる項目で利益をコントロ−ルすることもあります。

II. 架空売上の計上、在庫の水増しによる利益の過大計上・売上除外や架空仕入の計上など仮装隠蔽による経理操作により利益を操作することには、商法違反であり、脱税にもつながりますので絶対にしてはなりません。しかし、減価償却を行わなかったり、引当金を行わずに利益を出すことは可能です。また、決算賞与の未払金計上をしたり、期末に業務に必要な10万円未満の備品を購入することによって、利益を圧縮することも可能です。

III. ただし、利益の圧縮については税法上の制限がありますし、利益の増加については、粉飾決算にならないように注意しなければなりません。

1.利益を出す方法

1)減価償却を行わないあるいは償却割合を調整する
2)引当金を計上しない
3)未払法人税・未払消費税を計上しない
4)保険解約、有価証券売却等で利益を出す
5)含み益のある遊休資産を売却する
6)経費、除却等の処理を来期に回す

 1)〜3)は企業会計原則上好ましい経理ではありません。公正妥当な会計処理とはいえず、期間損益計算を狂わせているからです。

2.利益を減らす方法

1)減価償却・引当金計算を税法基準の限度まで行う
2)決算賞与を支給する
3)短期前払費用の損金算入の特例を活用して、年払い保険に加入する
4)不要な資産を除却・売却し、損失を出す
5)不良在庫を除却する
6)不良在庫を値下げ処分する
7)事業に必要な10万円未満の備品を購入する
8) 短期前払い費用を活用して、毎期経常的に発生する地代家賃、リ−ス料、支払利息等を経費化する
9)税額控除、特別償却を活用する
10)広告宣伝・DM費等を活用する
11)不良売上債権を放棄する
12)毎期経常的に必要な事務用品・消耗品費を購入する


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