経営会議事例集 平成25年10月


簡単でいい!経営計画の作成


経営計画は損益計画と資金計画から成立する

 経営計画は損益計画と資金計画から成立しています。まず損益計画を立て、次にその損益計画から資金計画を作成します。

超簡単損益計画の作り方

 直近1年間の損益推移表を用意します。
 販売費及び一般管理費・営業外計画から作成。

 上記損益推移表から販売費及び一般管理費の中で異常値を摘出します。異常値の原因と当期計画年度の発生見込を聞き取り、販売費及び一般管理費予算を作成していきます。

 続いて、人件費計画ですが、小規模な会社ですと、個々の役員・従業員の次年度の月額報酬、予定給与、法定福利費を見積もります。小さな会社ですと、1人の個人別給与を見積もり、積み上げても大した手間ではありません。


□■ワンポイントアドバイス■□

 業種によって、売上と直接連動して費用が増減する科目があります。例えば、通販事業の広告宣伝費や飲食・小売のアルバイトの雑給等があります。これらは財務会計では販売費で処理されますが、月次決算書では、売上原価項目にし、販売費及び管理費は固定的費用になるものを集めると経営者は見やすくなります。逆に売上原価項目、製造原価項目となっている賃金はほとんど固定費に近い会社があります。そのような会社であれば、販売費の給与と等しく賃金勘定を販管費として処理することも一考です。事例の会社ですと、最低1月の560万円、最高12月の830万円で、平均600万円程度のお金と粗利が必要と判断できます。

 これで固定費【売上0円でもかかる費用】のあらかたの数値が決まりました。

 最後に、売上と売上原価の作成ですが、簡単な作成と業種別の特徴について説明します。

(1)全業種に共通する一番簡単な作成方法は、前期の売上推移に前期比数値を×(かける)ことです。前期比105%であれば、一律前期の売上数値に1.05乗じていけばすぐ月次売上予算が作成できます。また、売上予算が確定すれば、予定原価率を乗じていけば売上原価が算定できます。

(2)業種別月次予算の作成の仕方
飲食・小売業…予定営業日数×客単価×客数で月次予算を作成します。客数は席数×回転数で算出することができます。
建設業等…受注予定表等から売上計画を作成します。 原価率を乗じて原価を算定されている会社が多いです。
サービス業…業態によって変わってきますが、得意先別、サービス別に売上計画を作成されています。事例の会社はサービス業で、個別の得意先別売上計算をして月次予算化されています。

 以上の結果、次のような月次損益予算が出来上がります。

 計画と検証が大切なのに、計画ばかり時間を割いてもムダ・・計画は最初は大雑把でも十分です。


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