経営会議事例集 平成25年5月


経営会議の成功事例
倒産の危機を救った経営会議 A社の場合


 A社は公共事業関係の建設業者です。
 30年以上も付き合ってきたメイン銀行より、追加融資を断わられ、弁護士事務所に会社破産の相談に行き、弁護士より当事務所に紹介がありました。売上の50%以上の銀行借入金があり、減価償却費+税引き後利益=返済能力から借入金の償還可能年数を計算すると30年以上もかかり、「早期是正措置」を求められる銀行では、これ以上の追加融資には応じられない意向でした。
 近年 資金繰りに窮し返済に追われ、利益もよりも売上額にこだわり、採算を度外視した入札で、更に資金繰りが厳しくなるスパイラルに陥っています。
 金融情勢もありますが、当時金融緩和状態であったので、損益計画、資金計画を持参して、都市銀行B銀行、C銀行より当面のつなぎ融資を受けました。
 次に、A社の場合、会社破たんの危機にあったので、連帯保証人の社長の自宅も当然競売にかけられるので、まず会社資産と社長自宅の任意売却により、借入金額の返済を図っりました。幸い、社長の自宅が思ったより高く処分でき、全額借入金の返済に回し、売上の20%程度まで、借入金が圧縮できたのです。
 続いて、資金繰りのための売上受注ではなく、利益重視の損益構造を目指し、額が大きいが利幅の小さい工事の入札を中心にせず、額は小さいが、随時契約、指名工事中心の利幅が大きい工事を受注する営業構造と毎月定額の請負仕事を受注する方向に大きく会社を転換させました。
 その結果、経営会議導入以降 3年で、毎月500万円、年間 6,000万円程度の定額売上、1工事50万円程度の随時契約工事を2日1本 500本 2億5千万円 計 3億1千万円。
 さらに、どうしても業界の慣習で付き合い仕事で2億円の工事 計5億1千万円 売上は過去と比較して、1億円程度減少したが、無理な入札工事に参加せず、収益は100倍以上となりました。
 直近の決算では、大震災にもかかわらず、7億円以上の売上、利益も会社創業以来の大幅な黒字となりました。
 会長のお話ではバブル時には、売上は15億円以上ありましたが、利益は現在の方がはるかに出ているとのことです。結果、自宅を手放された経営者は退職金と株売却が可能となり、無一文が一転安定した老後、事業承継を実現しました。


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