経営会議事例集 平成25年4月


中小企業の経営実態と修正経営計画の必要性


 不況がひしひしと日本の中小企業に押し寄せています。
 輸出産業の大企業の25%以上の減産、中小部品メーカーの減産、給与カット、失業率の増加、地域の飲食・小売業の売上減少と食物連鎖のように景気減速が起こっています。
 経営会議に参加して、3月の実績と4月の予想値を聞いても、前期実績で5%から10%の幅で売上減少の企業が増加しています。地域・業種によって差がありますが、飲食で言えば、高価格業態のお店の落ち込みが前期比売上20%以上減少も珍しくもなく、平均8%程度の売り上げ減少が続いています。原価率30%として、家賃や人件費等の毎月定額的に発生する経費に変動がなければ、8%×70%の5.6%。それが売上総利益と営業利益の減少となるはずです。

 日本の中小企業の平均収益力は2%と程度ですから、大方の企業が−3.6の赤字決算となります。政府見通しでも平成21年度、0%の成長率を−3.3%に下方修正しているのです。
 経理、資金繰り担当者は営業的努力目標の観点と違い、予定の資金繰りを精度を上げて立てる必要性に迫られていることから考えても、修正経営計画を立てるべきです。売上の下方修正、経常利益の確保を目指すなら、圧縮可能な経費の削減を探るべきです。一番に原価とアルバイトの雑給、経営者報酬、社員の賞与あたりを見直す必要があるのではないでしょうか。
 次に、こういう不況期・厳しい経営環境でしかできない、業務の合理化を見直し、長期的にムダ・ムラ・ムリの排除による社員の生産性向上の機会とすべきです。また、資金繰りは、第一に売掛金の徹底回収、在庫の圧縮に努めることです。


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