経営会議事例集 平成25年3月


原点回帰で見えてくること


 長年、経営をされていると事業に対する情熱などは創業当初に比べ薄れてしまいがちです。
 そういった流れになってしまうと、無意識のうちにサービスの低下や社員教育が行きとどかないなど企業にとって悪影響が出てくることになるかと思います。
 飲食業を経営されている創業6年目の会社のお話ですが、その会社は前年から出店した2店舗目が思うように売上があがらず苦戦されていました。
 1年目は知名度の問題かということで、ランチを始めてみたり、広告費を増やすなど露出を上げることで来客数を伸ばす方針で営業を行っていたのですが、それほどの効果が出ることもなく、何か他の部分を見直さなければという状況でした。

 そこで次の一手として人員の配置換えを行うこととし、2店舗目の店長を創業当初からの従業員から別の従業員に変更をしました。さらに、接客の仕方やお客様の情報管理など営業にかかわることから、いらっしゃいませなどの挨拶の徹底や店舗内清掃の仕方などの細かな部分まで毎週両店舗の従業員を集めて指導と確認を行い、お店に関しての意見交換も積極的に行うこととしました。
 そうしてみることで、創業当初では出来ていたことも、無意識のうちに疎かになっていたり、また今までよりも良いやり方の発見が出来たりと社長自身が驚くようなことが多々出てきたそうです。

 その結果、半年もしないうちに売上が徐々に上がり始め、配置変更した店長の徹底した原価管理もあり、料理のクオリティーをあげた上で更に原価率も下がりました。
 6年目の会社ですら改めて見直してみると数々の問題点が出てきたのですから、事業を長く続けていけばいくほど経営者自身が気付かないうちに、細かなほころびはあって当然ではないでしょうか。
 原点回帰という言葉もあります。一度、創業当初の気持ちを思い出し、改めて自社の状況を見直してみても良いのかもしれません。


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