経営会議事例集 平成25年2月


赤字経営、まだまだ改善の余地あり!!


 赤字経営の経営会議に参加していると、多くの改善点が見えてきます。

 まず第一に、経営者の資質です。
 赤字経営の経営者には多くの共通点があるが、一番感じるのは、「事実を直視しない」ということです。逆に考えれば、現実逃避と言えるかもしれませんが、あるがままの現実を受け入れない人が多いように思います。極端な人の中には、「俺は好きな事をしているので、金儲けをしているのではない」と逆ギレする人がいます。

 仕事を趣味や遊びと一緒にされたのでは、家族や従業員はたまったものではありません。
 世の中の人は金儲けをしていて俺は立派な事をしているのと考えるのは、社会人失格と言って良いでしょう。まず一番大事な事は、たとえ嫌な事でも、仕事をして、給料を稼ぎ、経営者だったら、社員や家族に飯をちゃんと食べさせる、すなわち金儲けをすることがすべての前提と言えます。
 「貧すれば窮する」「衣食足りて礼節を知る」といった格言ではありませんが、そんな経営者に出会うと「金儲けをしてから好きな事をしろ」と言いたくなります。

 昔、学生時代の先輩が、「悔しいよ」と言って訪ねてこられたことがありました。
 社員の不始末で土下座して先方に謝りに行ったとのことでした。
 学生時代はプライドの高かった先輩に、私は「立派になったですね。社長らしくなりましたね」と言って慰めたことがありあます。自分のためではなく、社員や他人のために我慢できなくて何が社長だと、いつも思います。
 次に多いのは、自分の事を棚に挙げて何事も社員や社会や時代のせいにする経営者です。
 敗戦の困難な時代にも、世界のホンダやソニーは開発、研究、成長していました。
 大恐慌期にも大きな黒字を出した会社もあります。
 平成19年のリーマンショクでも、設立以来最高益を出した会社はいくつもあります。不況があれば、会社の内部を総点検して、ムリ・ムダ・ムラがないか、生産性、利益率、改善点がないか、チャンス到来とばかりに、みの虫運動される企業があるのです。成長・拡大一本ヤリでは、人・モノ・カネに矛盾やたわみが出ます。
 不況期こそ再編のチャンスであるという経営者に失敗はありません。
 不況期こそ、内部点検のチャンスであり、事業拡大のための人・モノ・カネが集めやすいチャンスなのです。
 不況だからこそ、いい人材が中小企業に採用できるチャンスであり、格安の条件で物件が入手できるチャンスであり、金の貸先に困っている銀行に融資を受けやすい等々です。


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