経営会議事例集 平成24年12月


取って置きの手


 事態の推移を予測することはさほど難しいことではありません。売上が鈍化傾向、利益減少、不振が長期化する…こういう事態は、経営者であれば多少予測できるのではないでしょうか?

 しかし本当に大切なのは、事態の予測をするだけではなく、その事態に陥った時に「取って置きの手」を打てるかどうか、ということです。

 ある会社では、急激な売上減少の傾向を捉えたため、「今年は例年の2倍の新規得意先の開拓を行う!」というスローガンを掲げ、見事に半期で3割も売上をアップさせた、という話を聞いたことがあります。

 また、別の会社では、今ある商品が売れなかったため、その商品を安く売っても儲かるように「今までの費用の10分の1でつくる」「半額で仕入れる」「在庫をゼロにする」など、大幅なコストダウンにチャレンジをしたことで利益をアップさせた、という事例もありました。

 このように、各会社によって「取って置きの手」は様々です。事態によっても効果的な「取って置きの手」は異なってきます。会社を長く存続させていくには、最悪の事態を招く前に変革をし、また改良をしていかなければなりません。

 社会情勢や顧客のニーズの変化などを察することで事態の推移を予測し、さらにその推移に対応できるような「取って置きの手」をあらゆる方向から考えておくことが、会社を強くする秘訣です。

 いかなる逆境にも負けず、ピンチの時に「取って置きの手」によってチャンスを掴む強い会社を目指していきましょう。


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