経営会議事例集 平成24年8月


増税にも耐えうる会社づくりを


現在、国会で審議中の消費税法案ですが一般消費者のみならず中小企業経営者の方々にとっても非常に注目されている事柄かと思います。

そこで実際に増税を行われた場合、会社に与える影響について考えてみたいと思います。
まず、消費税の仕組みを簡単に説明しますと売上等に係る預かった消費税の額から、経費等に係る支払った消費税の額を差し引いて差額がプラス(預りの方が多い)の場合は消費時の納付を行い逆にマイナス(支払いの方が多い)の場合は還付を受けることができます。
一見、売上として預かった消費税の金額から税金の納付を行うので税率が上がったとしても、問題が無いようにも思えます。

では、どういった場合に問題が起こるのでしょうか。

増税が行われた際に、上がった消費税額を売上の価格に転嫁できない場合に問題が起こる可能性があります。
例えば、税込100,000円で商品を売った会社が、仮に経費が一切ないとしてその期の消費税申告を行うと、4,700円の消費税を納付することになります。これが、増税後(消費税が10%になった場合)も同じく税込100,000円で商品を販売すると消費税の納税額は、およそ9,000円となります。
ようするに、増加した消費税の額を価格に転嫁できないということは実質、売上単価の値下げを行ったような状態になります。
また、資金繰りに余裕の少ない中小企業では、会社資金は常に回転しており売上等に係る預かった消費税を、使わずに納税の時まで取っておくのは難しいことだと思われます。
税率が上がれば、基本的には1回の納税額も増加することになりますので納税の際の資金繰りも厳しくなる可能性が出てきます。

今後、前述のような事態に陥らないためにも、外部への販売単価なども考慮しつつ、しっかりとした経営計画を立て納税を含めた資金繰りも、より一層シビアにみていく必要があるのではないでしょうか。


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