経営会議事例集 平成24年6月


過度の成果主義賃金にはご注意を


成果主義型の賃金体系を導入している企業は多いかと思います。
従業員のモチベーションの向上や、競争原理が働き職場が活性化することによる業績アップ給与の変動費化や優秀な人材の確保など、一見メリットのみを考えると良いことばかりに思えます。

しかし、運用を誤ると従業員の士気低下や人材育成がおろそかになるなど目先の利益にとらわれすぎて、企業の成長自体を妨げる結果にもつながりかねない諸刃の剣とも言えます。

先日、ある経営者の方から聞いたお話です。
以前より付き合いのある業者に、社内のOA関係の買い替えをお願いしたところ納品は翌月の前半だったのにもかかわらず、月末に納品に来たそうです。
すぐに営業担当者を呼び出し、約束と日程が違うことと入替えの準備も出来ていないので持ち帰るよう伝えたところ、担当者に品物は一度引き上げるのでなんとか受領印だけは押してほしいと懇願され受領印だけは押し、納品希望日に再度来るという話になりました。

しかし、希望日の前日になり担当者より納品日を変更してほしいとの連絡が入ったので事情をきいたところ、完全歩合制の会社で受領印を受けた時点で売上査定がつくのでどうしても月内に納めないと生活が出来なかったので強硬手段に出たことと納品している形になっているので再納品は知人に頼んで自力で納品することになってしまい日程の調整がうまくいかず、日程変更のお願いをしたと泣きながら話してきたそうです。

これは極端な例かもしれませんが、過度な成果主義が従業員を追い込み会社の信用をも失う行為を行ってしまった結果だと思います。
成果主義の導入の際はメリットばかりに目を向けるのではなく長期的な視点で自社にあった形態を模索していってほしいものです。


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