経営会議事例集 平成22年12月


経営会議の進め方


経営計画を顧問先企業に根付かせ、企業の業績の向上、企業体質の転換、財務基盤の強化という成果をあげるための秘訣は経営会議の実施にあります。


1.毎月一回の定例化の実施

経営会議は月次・定例であることが重要です。月次・定例であることによって、月次決算の締め日が決まり、会計事務所の監査日も定例化でき、結果、経理の仕事が定型化します。そのため、全社内の資料提出が定期日に必要となり、業務の標準化・システム化が進行します。また、月次・定例にすることによって、顧問先企業の意思決定が、経営会議で決定します。結果、集団的かつ経営数値に基づく意思決定が行われ、企業の経営体質が変わるのです。


2.会議参加者の範囲は?

経営会議に参加するのは、社長・役員・部門管理者・経理責任者等です。
企業の実状に合わせ、資金繰り管理までの役員会と、損益管理目的の部門管理長会議や予算実行管理委員会を開催されている企業もあります。情報の公開、とりわけ資金状況の公開は、情報と責任管理が一体であるべきです。不必要な情報公開は企業に混乱と無責任なデマが発生します。
しかし、情報公開範囲の狭い会社はそれだけ幹部社員が育っていない証拠であり、経営計画を全社一丸となって実行するためにはできるだけ多くの社員が会社の計画と実績の情報を共有し、一喜一憂が望ましいことは言うまでもありません。過渡的には、一部情報の公開をされている企業もあります。(例 売上・原価・管理可能経費だけ、毎月報告する)


3.経営会議の実施日は?

経営会議はできるだけ月初めが良いということは言うまでもありません。しかし、実績の報告がいいかげんでは逆に経理数値への信頼感が損なわれます。現在、導入事務所では、一番早い企業で、月初4日、多くは10日以降、第2週金曜日、第3週水曜日、木曜日、金曜日、25日等、企業の買掛金締め日の関係で月次決算日が決まり、経営会議の日程が決まる結果となっています。この場合も、企業が“経理に対する全社的な協力体制づくり”に取り組むことによって、早くなります。


4.経営会議にあたっての留意点

1)経営会議のスケジュールをきちんと決め、会議を計画的に進めましょう。
2)計画と実績の差異分析と計画の進捗・チェックを実施します。
 ※ 経営会議実施企業全てに年度・月次予算の作成を行い、毎月の月次決算監査を経て、月次・累計の予算・実績差異分析及び予想決算数値を経営会議に提出しています。
3)決定事項を実行に移すためのルール・しくみをつくっておきます。
 ※ 会議の議事録を残し、決定事項、実施責任者等決議したことの意志決定プロセスを明確にしておきます。


5.経営会議の進め方

1)経営者の一方的な訓辞会議では何一つ成果が上がりません。
当月の計画と実績の報告を経理責任者から報告します。
売上・原価等の問題点につき各担当責任者から報告させ、原因などについて直接担当者から報告させます。
2)当月の進捗見通しについて各担当者から直接報告させます。
3)次月移行の対策を主要テーマとし、効率よく検討します。
予想損益に基づき、予想税額と節税を含めて、新規設備投資、新規事業の検討、保険加入検討、決算賞与の検討がされています。
4)会議参加者全員に意見とアイディアを出させます。
5)会議時間は2時間を目安とし、2時間以内が理想的です。


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