経営会議事例集 平成21年11月


資金繰り改善のための黒字経営計画の必要性


100年に一度の経済危機が現実性を帯びてきた今日この頃、経営改善のための経営者の経営判断が日々問われています。

このような不況の時、経営者は、資金繰りのための営業活動は絶対してはいけないという原則を確認することです。とはいっても「資金繰りのための営業活動」の意味も理解できない経営者も多数おられるのではないでしょうか。

簡単に言えば、「自転車操業」、ペダルを漕ぎ続け、止まると「倒産」する会社経営のことです。具体的には、今日のお金が足りないので、採算を考えずに仕事をする状態の会社です。

それはどこで分るのか?
自社の直近の試算表や決算書に減価償却費等を入れずに赤字となっている会社です。

減価償却費等を経費に入れずに「赤字経営」となっている会社はいずれ破たんします。資金繰りが廻っているのは、とりあえず売上入金があり、仕入代金や経費、給与、税金、社会保険料、家賃等を滞納しているか、借入金で資金繰りが廻っているだけの自転車操業状態に陥っています。

第一に取るべき経営判断は
【1】絶対大丈夫である売上金額を見積もる
【2】徹底的な原価削減・仕入単価の見直し、在庫処分をする
【3】 経費を変動費化する。例)人件費を生活給と業績給に区分し、業績給は売上総利益等に比例させ変動費化する
【4】絶対的売上金額で固定費を賄えるまでコストカットする
それができないなら廃業・破産をする。

ここで現実から目を反らす経営者が多いのです。倒産・破産の瀬戸際で、見栄を張る必要はありません。「貧相な場所に移ったら、得意先の信用をなくす、優秀な社員が辞める」等々で立派な事務所から移るのをいやがる経営者も多いです。また、役員報酬を引き下げように提案したら「経営者のモチベーションが下がる」と言って逆ギレする経営者もいます。このような経営者だから「倒産寸前」までに追い込まれたと言えるでしょう。事務所が移った程度で辞める社員であれば、給与遅配で即退社するでしょうし、その前に中小企業で社員が辞めたら困ると思っている経営者が問題です。

「社員全員辞めても会社は守ってみせる」という気概、覚悟は中小企業の経営者はまず持つべきです。そのような気概を持っている経営者の下で初めて社員がついてくるのです。自分では何もできず、人頼み、失敗は人のせい、判断は人まかせ、そんな会社はもともと生き残ることはできないのです。


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