経営会議事例集 平成21年9月


顧問先を1社も倒産させるな!!


「袖すり合うのも何かの縁」ということわざもありますが、折角出会った顧問先を倒産の危機から救う業務も会計事務所の大事な仕事です。

もとより、商売上の意思決定、様々な経営判断は、経営者自身が行うべきですが、経理、財務面での意思決定をするための資料を作成するのは会計事務所の本業です。
経営者から経営上の判断を聞き出し、経営計画・・損益計画や資金計画を作成支援や、資金調達の方法を助言し、中長期の経営計画のたたき台を作成するのも大事な仕事です。
経営計画と実績数値を重ね合わせ、各店舗、各支店、各部門の予算・実績の異常値の検証資料、予想決算、予想税額、予想資金繰り表の作成など付加価値の高い仕事がたくさん待っています。

「倒産しない会社づくり」とは、「経営計画をしっかりと実行できる会社づくり」と言い換えることもできるのではないでしょうか。

年度初めに経営者が計画した通り、否、それ以上の経営数値をたたき出していれば、絶対倒産することはないのです。
この不況の時代、経営計画もなく会社運営されている経営者は、台風の中、レーダーなしに荒海に出発するようなものです。また、正しい月次決算をしていない会社とは、現在地を確認するGPS機能のない船のようなもので難破=倒産は間違いないでしょう。

これをふまえて、顧問先を倒産の危機から防衛するためには、

【1】まず損益計画と資金計画を作ること。
【2】月次決算で正しい経営成績をつかむこと。
【3】 【1】と【2】を結合させて、予想決算・予想資金繰り表を見ながら経営すること。

このまま推移すると倒産してしまうとわかっていれば、経営者は様々な危機回避の手を打つことができます。
7月の上旬に参加した経営会議では、売上前期比14%減という危機的状況に対して、【1】役員報酬の引き下げ 【2】夏季賞与の大幅削減 【3】社員給与の見直し 【4】不採算部門の見直し 【5】不採算部門の撤退 【6】新規事業部門の立ち上げ等々を話合いました。
このような会社には倒産は無縁です。なぜならば、危機に対応できる仕組みができているからです。
倒産する会社はまず放漫経営であり、成り行き経営であり、判断・決定をしない会社なのです。


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