経営会議事例集 平成21年2月


低価格路線…中小企業は生き残れない


世界同時不況の中、中小企業の経営も一段と厳しくなっています。ここで気を付けないといけないのは、素人経営者のやる手口として「安売り合戦」の参戦です。大企業ならスケールメリットも考えられますが、中小企業で安売りに走ったらお終いです。理由は2つ考えられます。

第一の理由は、安売りに走ったら一時的に売上額がアップしますが、利益が出ないことです。100円のものを10円に値下げしたら利益を単純に維持するなら10倍売上を増やさなければなりません。10円でも100円でも手間が同じなので、10倍社員が働くことが前提です。

第2の理由は、努力しないことです。売る方法や、商品力に自信がないから安売りに走っているのです。顧客のニーズに応え、不況でも売れるもの、必要とされるもの、費用対効果を出すことが必要なのです。会計事務所で言えば、「不況こそチャンス」なのです。景気が良くて、会社が順調な時に誰が税理士を変えたくなるでしょうか。不況で資金繰りが厳しくなった時、経理を経営に活用するためのアドバイス、資金繰り支援、経営改善の支援、迅速に経営数値の提供等々会計事務所の力が見直されます。経営計画を一緒に経営者と立て、月次決算を行い、会社の経営上の課題、決算予測、資金繰り予測をし、常に先行して金融機関に資金調達の財務指導をしてくれる会計事務所は必要とされています。そのためには、記帳代行や税務申告程度の経理・財務知識では安売りになってしまいます。

顧問先の経営の厳しさ、経費削減の一番に会計事務所の顧問料がターゲットになってしまうのです。先日、税務署の統括官と話す機会があり、法人から個人経営に変更し、税理士から青色申告会や無料相談会へシフトする零細企業が増加しているとの話を伺いました。会社が成長し、会計事務所も成長するというサイクルを確立しなければ、会計事務所も企業も生き残る道はありません。高い品質・サービス・・顧問先の成長・・この素晴らしいサービスならこの価格もやむを得ないいうサイクルが必要です。経営会議は経営陣と意思決定する場に会計事務所が立ち会える場です。また、サービスの成果を経営陣に毎月アピールできる場をお金を頂きながらできる一石三丁の場です。


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