経営会議事例集 平成20年5月


顧問先は会計事務所に何を期待しているのか?


会計事務所が顧問先に資金対策で協力できることは数多くあります。顧問先から見て、顧問税理士と顧問契約し、顧問料を支払う意味はとどのつまり2点に絞られるのではないでしょうか。

1つは、納税者から見て怖い「不気味や無知からくる」税務署が来た時に、毅然として対応してくれる用心棒としての存在であり、顧問料はその保険料のようなものです。2つめは、会社のお金について色々相談に乗ってくれる相談相手としての税理士という存在です。

以前九州税理士会の顧問先からの税理士に期待することのアンケートにも1位・2位が税務調査対応と資金繰り指導でした。このニーズは多分現在も変わらないように思えます。もちろん税理士は税の専門家であり、1つ1つの取引と税の問題を解き、最良の助言をし、決算書作成助言・申告書作成・税務調査の対応は本業であることは間違ありませんし、その専門家として、日頃から税務・会計監査をして、問題点の改善に寄与することは当然です。

しかし、2つ目の資金繰り指導については、税理士の役割とは思わない先生や事務所も数多いことも現実です。この点については、顧問先のニーズと税理士の目線のズレがまだまだありそうです。決算書に街金に近い「日栄」「商工ローン」等から借入金が明記してある決算書の科目内訳書を拝見したことがありますが、これを作成した先生や会計事務所はこの決算書の結果、会社はどうなるのでしょうか? 想像されたことはないのでしょう。
 
また、想像することも自分の業務の範囲外と考えられたのでしょう。これらの借入金の金利は20%超えており、この金利を支払って成立する商売などありうるはずもないことは自明です。顧問先にこれら街金に行く前に、(1)資金繰り改善指導を行う。(2)会社整理・廃業も考え、弁護士と相談する。等々の助言を行うことは税理士や会計事務所の人としての義務と責任ではないでしょうか?


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