経営会議事例集 平成20年1月


厳しい銀行の融資姿勢に対応する経営体質の獲得に「経営会議」の活用を!!


10月から保証協会の部分保証制度の開始に伴い、中小企業の牧歌的な財務体質に大きな変化が起きつつある。

営業収入−営業収支=差引営業収支 これは通年でみれば、利益+減価償却費が普通である。しかし、通年の返済がこの範囲で収まっている企業は極少数と思われる。本日相談にこられた企業も、1月から損益計画と資金計画で年間4,000万円の差引営業収支にもかかわらず、年間返済金額は1億円であり、6,000万円の折り返し融資がなければ資金繰りに窮し倒産してしまうことは自明である。現在中小企業が直面している経営課題は、第一に景気の先行き不安4,000万円の返済と6,000万円の新規折り返し融資を銀行にお願いすることを勧めた。

資金調達のコツは、

1.経理が透明でかつ長期の返済計画がはっきりと立てていること。

2. 各銀行が平等な負担をしていること。A銀行の返済のためB銀行に融資してくれとはありえない。

3. 新規融資の年間計画と了解の得やすいところと話をつけ、難しい銀行は後廻しにすること。

4. 新規折り返し融資が難しい銀行について、毎月の返済額を減額してもらう交渉に変える。年間6,000万円返済する約定の銀行に交渉し、年間2,000円の返済にしてもらうだけで、4,000万円の新規融資を受けたと同一の経済効果がある。新規折り返し融資が困難と返事をした銀行も、返済額の減額、返済期間の延長「リスケ」は簡単に応じてくれる。

5. 上記のすべての条件が満たされない場合は、経営者は借りるだけ借り、現預金を可能な限り持ち、全銀行にデフォルトをかけることである。一律金利と元金の1/10だけ支払う等々の通告をし、今後一切銀行から借金しなくてもやっていくという覚悟を持つことである。その上で、各銀行と交渉し、条件変更を取るというスタイルである。これは銀行との交渉の最後の姿であり、差引営業収支がプラスであり、借入返済条件を緩和されたら、資金などなくても経営していける企業、飲食等の現金商売の場合は可能である。


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